2017年4月、「セレブリティ・ミレニアム」春の日本一周で、クルーズデビューされたお客様による乗船記です。桜色に染まった日本列島の優美な景色の中、クルーズの楽しさ、素敵な出会いをたくさん記載されています。 これからクルーズをご検討されている方は是非参考にしてください。
名鉄観光では、セレブリティ・ミレニアムによる秋の日本一周クルーズもご用意しています。花と紅葉と美食に出逢う旅をお楽しみください。
2017年6月19日 東京都在住 KO様
私たち夫婦は2017年4月22日(土)から4月30日(日)まで国内のクルーズに行って来ました。 その時の旅の想い出を綴る備忘録を作りましたが、思いつくままに書いたので順不同です。 経過を順序通りに書くよりも、思いついたままの方が面白いと思い特に直しませんでした。 なお、9日間夕食会で一緒だった3グループも昼間、特に寄港地ではそれぞれ別行動を取って いたので、この旅行記・備忘録は船内に関するものに限定しました。また、私たち夫婦が 主人公となっている表現なので違和感を抱かれるところがあるかもしれませんがご容赦下さい。
日本列島を縦にぐるっと回った!
横浜 → 終日クルーズ → 長崎 → 釜山 → 終日クルーズ → 新潟 → 青森 → 仙台 → 横浜 と9日間掛けて日本列島を縦に一周するクルーズでした。航行距離は最終日の船側の発表では2,268海里、即ち4,200.33kmでした。(横浜から真っすぐベトナムへ行く位?)終日クルーズの日、船は何処にも寄らず一日中航行していました。
船はデカイ!
船はセレブリティ・ミレニアム(Celebrity Millennium)という総トン数91,000トンのアメリカのクルーズ客船で長さは294m、巾32mです。戦艦大和は長さ263mですから31mも長い船でした。トン数は商船と軍艦とは量り方が違うので単純に数字だけの比較は出来ませんが、ミレニアムは容積トンで91,000トン、戦艦大和は排水トンで72,000トンです。フランスの造船所で建造しました。
船の中はアメリカ!
船の中は完全にアメリカ合衆国なので、韓国の釜山に寄港することもあって乗船するにはパスポートが必要でした。船内での通用語は完全に英語、日本語の出来るスタッフはゲストリレーションズ(フロント)にいる1~2名の日本人スタッフとメインダイニングの入口にいる案内係の日本人スタッフ程度でした。他は、オプショナルツアーのある日は主要取扱い旅行会社の案内テーブルが出ていた位です。
船には3000人も乗っている!
船客は2158人、乗組員は1000人で、厨房の料理人だけでも150人いるということでした。 船客2人にスタッフが1人です。スタッフはアメリカ人(西洋人)の他に東南アジア系(中国系の人も僅かにいました)の人が多かったようで、皆にこやかで礼儀正しく、フレンドリーで親切でした。嫌な思いをしたことは一度もありませんでした。 10Fビュッフェに家内と顔なじみになったバリ島出身のウエイトレスがいて、盛んに日本語を覚えたがっていました。
アメリカなので船内通貨はUSドル!
船内通貨はUSドルで、乗船の際に船客のパスポートのデータ、使用するクレジットカードのデータ、部屋番号のデータを打ち込んだシーパスカードを渡され、それが部屋の鍵や身分証明書やキャッシカードとなり、船内では一部有料の飲食からショップでの買い物まで全てキャッシュレスで、皆いつもそのカードを首から下げていました。しかし、カジノだけはUSドルの現金が必要でした。
顔写真を撮られる!
初めての乗船の時は一人ひとり顔写真を撮られ、以後長崎から釜山に行く時の長崎での乗船時、及び釜山から新潟へ行った時の下船時には出国・入国となるので、通常の乗下船時のシーパスカードのチェックに加えて顔写真の照合審査を受けました。国内寄港地での再乗船時には手荷物のX線検査もありました。
クルーズ料金に含まれているので殆ど無料!チップも!
船内では、朝・昼・晩の食事代から夜中まで24時間食べられ、コーヒーや各種のソフトドリンク、10種類近くもあるアイスクリームやシャーベットも揃っているビュッフェ、毎晩ラスベガスショーをやっているシアターでの観劇、フィットネス、ストレッチジム、プール、ジャグジー、屋外での映画などの他、一般的なチップも全て初回に支払うクルーズ料金に含まれているので無料で何度でも利用できました。勿論食べ放題!アルコール類は有料ですが、ドリンクパッケージを買うともう飲み放題!しかし、その他の場合はオーダーしたお酒が来る度に請求書にサインが必要でした。
有料のものは?
有料のものは、レストランで別個に注文が必要な酒類、エスプレッソのようなコーヒー、コーヒー専門ショップでのコーヒーやジェラート専門ショップでのジェラート等(ジェラートが12種類もある!)、上級クラスの船室の船客用スペシアリティレストランでそれ以外のクラスの船客が食事をする時、バー、全身美容施術料、マッサージ、サウナ、ショップでの買い物や洗濯依頼、医務室など、特にルームサービスを頼んだ時に持って来たスタッフへのチップなどでした。
デカイので船はあまり揺れない。
海が一番穏やかな季節だったこともあり、船は大きいだけあって殆ど揺れを感じず、青森港のある陸奥湾から津軽海峡に出た時は潮の流れが速いためか大きくゆっくりと揺れましたが、揺れているな?と感じる程度でした。人により差はあるでしょうが。乗り物の揺れに弱く、新幹線でも酔ったことがあるような家内が、2日目の朝船が日向灘か大隅海峡を通る時に少し揺れて軽い船酔いを起こした以外はその後1週間は全く船酔いもせず大いにクルージングを楽しんでいました。
バルコニー付きの海側の船室。
私達の船室は、海側のバルコニー付の部屋で16㎡弱(10帖程度)、バルコニーは3.5㎡(2帖程度、7F以上の階より広め)で、強風が吹いても飛ばない位にガッチリとした重いデッキチェアが2脚とガッチリとし重そうな円いデッキテーブルが1台ありました。バルコニーでルームサービスの朝食を食べるのを楽しみにしていましたが、途中で雨が降ったり、北上する毎に寒くなったりで、遂に実現しませんでした。
船室の家具や造作など。
船室はツインで、ベッドはセミダブルとシングルの中間位のベッドが2台でしたが思ったより寝やすいベッドでした。その他にやや大きめの一人掛けソファと円い硝子テーブル、造り付けのライティングデスクとチェア、ベッドの脇のサイドテーブル、クローゼットや造り付けの引出し戸棚、冷蔵庫、テレビ、金庫などでした。3人部屋となった京都・大津グループ、大分グループの船室も私達の船室と同程度の広さでしょうが、多分もう一つエキストラベッドかソファベッドが入れられたのでしょう。
浴室はなくシャワーのみ。
私たちクラスの船室には浴室はなく、シャワースペース付きの洗面所とトイレでした。アメリカの船なので洗浄便器ではありません。 日本のホテルのように備え付けの歯ブラシ、歯磨き、ボディシャンプー、ヘアシャンプー、剃刀、櫛、スリッパ、湯沸かしポット、ティーバックなどもありません。石鹸や大小のタオル、バスタオル、バスローブは付いていました。シャワーだけでは満足出来ない人はプールに行きジャグジーに入って入浴した気分に浸っている人もいるようでした。シャワーの水圧が弱いのには少々不満でしたが・・・
全然運動不足になんかならない!
この船にはレストランが7か所あり、その殆どが船尾かその近くにあるので、船首の方にある私たちの船室からは200m近くも歩かねばならず、終日クルーズの日には少なくとも3回は幾つかのレストランに食事に行くので、昼間フィットネスジムに行ったり、プールに行ったり、シアターに行ったりしていると万歩計は7,000~8,000歩にもなっていました。これだけ大きい船だと運動不足になることなど、まずありません。寄港地でのオプショナルツアーや自由行動で出掛けた日などには17,000歩以上にもなりました。
晩餐会のお仲間とは大の仲好し!
私たちの夕食会は、船尾にある4~5階吹き抜けの大きなメトロポリタンというメインダイニングの5階にある8席の大きな円テーブルで、船側で日本人ばかりまとめてくれました。8人の内訳は京都の男性と大津の女性2人の3人グループと別府・由布の女性姉妹3人のグループに東京の私たち夫婦2人でした。
晩餐会は昼間のことの報告会。
この顔ぶれは、特に嫌で席替えを希望する人がいない限り9日間ずっと同じなのですが、私たち8人は初めて出会った4月22日の夜からもう意気投合し、楽しく笑いの絶えないテーブルとなり、毎日の夕食会(晩餐会)で皆に会うのが待ち遠しい程で、9日間笑いが絶えませんでした。3つのグループは昼間はそれぞれの行動をしていたので、毎晩の晩餐会ではまずそれぞれの昼間の、笑いを伴いながらの報告会となりました。
我がテーブルにはウエイターたちも興味深々。
これがまた抱腹絶倒の話が多く、私たちのテーブルが周りのテーブルより際立って明るく楽しそうだったので、専任で幾つかのテーブルを担当しているスタッフ(ウエイター)もすっかり馴染みとなり、私たちのカタコト英語を楽しそうに聞いてくれメニューを一生懸命説明して、「今日はこれが美味しいですよ」と薦めてくれました。勿論英語で。尤も、メニューには日本語でも料理の名前と内容が書いてあったのですが・・・
奇跡に近い楽しい人たちとの出会い!
この2グループの人たちとは昼間も色々な所で出会いましたが、中でも釜山の市場で京都・大津グループとばったり出会った時はびっくりしました。2,000人も船客が乗っている中で、行動パターンの全く異なるたった3グループ8人の我々が色々な所で出会うなんて奇跡に近いと話し合ったものでした。大分グループとも船内のいろいろな所でよく出会いました。この2グループとは最後に横浜帰港で別れてから、もう1か月以上になりますが、今も写真を送ったりメールのやり取りをしたり電話を掛けたりと仲の良いクルーズ仲間です。
やはりドレスコードがある。
この船はアメリカの船なのでヨーロッパ系の船よりは緩いですが、やはりドレスコードがあって、9日間のクルーズ中に決められた2日間の夕食時はイブニングシック、他の日の夕食時はスマートカジュアルということでした。
イブニングシックとはフォーマルよりは緩いドレスコードで、男性はスラックスにドレスシャツやボタンダウンのシャツにセーターでもよく、ジャケットやネクタイは必須ではないとのことでしたが、概ね男性はジャケットか上下背広にネクタイ姿かジャケットに洒落たシャツ姿でした。上級クラスのレストランは知りませんが、タキシードに蝶ネクタイ姿は見掛けませんでした。女性はカクテルドレス又はワンピース、エレガントなトップスーツ云うことでしたが、皆アクセサリーなどと色々とコーディネートしてお洒落をしていました。和服姿の女性もいました。
スマートカジュアルとは男性はポロシャツなど襟付きのシャツにパンツ、スラックス、女性はサンドレス、ブラウス、スカート、パンツなどとのことでしたが、皆それぞれにブラウスとスカートをコーディネートし、自由にお洒落を楽しんでいました。
昼間の服装は自由でラフな格好の人も沢山いましたが、ビュッフェ以外のレストランへの出入りは、若者たちに流行りの、破れて肌の見えるジーンズやTシャツ、短パン、ビーチサンダル、野球帽はオフリミットでした。
外国の船なんだなあと思った時。
乗っていて言葉の問題は別として、やはり外国の船なんだなあと思う時は、日本近海を航行しているのに日本のTV放送が全く入らないこと。夜カジノでスロットマシンなどをやっている時、日本の領海に入ると画面に「machine disable」とメッセージが出てゲーム中でも機械がピタリと止まってしまうこと。 寄港地観光をして帰船し乗船する時にはシーパスカードのチェックの他に、横浜乗船時に撮られた顔写真との照合、手荷物のX線検査や土産物の検査があり、生もの、野菜果物類、酒は没収されクルーズの最後横浜で下船する時に返してくれること、船内の飲食物は一切船外に持ち出すことは禁止以外は、あまり違和感は抱きませんでした。
携帯ラジオが役に立った。
小さい携帯ラジオを持って行ったので、電波の状態のよいバルコニーで日本のラジオ放送のニュースや天気予報を聞いていました。紀伊半島沖合を通る時は名古屋や和歌山の放送、四国沖を通る時は高知放送、日向灘を通る時は大分の放送を聞いていました。韓国の釜山では福岡の放送がガンガン入っていました。 北上するにつれて変わっていくラジオ放送で、大体どの辺りの沖合を走っているのかが分かりました。
船室には湯沸かしポットがない!
日本のホテルなら何処でも部屋に備え付けの湯沸かしポットやティーバッグがありません。いちいちビュッフェやコーヒーカウンターまで飲みに出掛けるのは面倒と思い、インスタントコーヒー・砂糖・ミルクや日本茶のティーバッグをもって行きましたが、肝心のお湯が無くて飲めずそのまま持ち帰りました。実はインスタント味噌汁も持って行ったのです!ルームサービスでお湯を持ってきてもらえば良かったのですが、それも面倒で・・・
後日トラベルライターの方のクルーズ旅行記を読んでいて、小型の魔法瓶の水筒を持って行ってビュッフェでお湯やコーヒー・紅茶を入れて部屋に持って来るという手があったことを知りこれは自由とのことでしたので、今度はこれです。(笑)このトラベルライターご夫妻は私たちと同じミレニアムに乗っていたようです。
持って行ったけれど使わなかったもの。
何しろクルーズは初体験なので旅行前に色々な本や資料を読みネットでも色々調べ、経験者にも聞いたりして携行品リストを作り、ひとつひとつチェックしながら揃えましたが、遂に一度も使わなかったものが沢山ありました。順不同で羅列すると、戸籍謄本又は写し・変換プラグ(アメリカ船なので日本と同じAタイプでした)・薄手マフラー・エコバッグ・カッター・荷造りテープ・英語の辞書・指差し簡易英会話の本(そんなものを取り出している暇はなく、カタコトの英語と手真似の方が早かったし結構通じました)・インスタントコーヒー・砂糖・ミルク・日本茶ティーバッグ・梅干し・割箸・スプーン・使い捨てコップや皿・文庫本等書籍(部屋で本を読んでいるよりも船内を歩き回っていることが殆どでした。)
シアターはまさにラスベガス!
客席が4階と5階にある大きな吹き抜け空間のシアターはとても船の中とは思えない程の劇場で、2人掛けの椅子と椅子の間には厚いガラスのテーブルがあり飲み物を置けるようになっています。注文するとこのシアターの中まで飲み物を届けてくれます。
このガラスのテーブルの下からは邪魔にならないほどの照明が手元を照らすようになっていて、シアターの後部から見るとホタルが沢山いるようでとても綺麗でした。
ショーは一晩に2回、7時と9時に行われ、日替わりでミュージカルがあったりイリュージョンがあったり、アクロバットや奇術があったりと毎日通っても飽きさせない、流石にアメリカの船で、本場ラスベガスのショーそのもので、迫力と目まぐるしく変わるスピード感は抜群でした。
レストランでの私たちのテーブルはセカンドシーティング(遅番)で8時からだったので、いつも7時からのショーを見てから行きました。席に着いてからはひとしきり今見て来たばかりのショーが話題となりました。
船室の掃除を一日に2回も!
船室のお掃除は一日に二回、船客が朝食に行っている時間帯と夕食に行っている時間帯にしてくれます。仕事は極めて丁寧で不満を感じたことはありませんでした。船室にまだ居る時は出入り口のドアハンドルに、船室のフックに掛かっている「Don’t disturb」という札を下げて置けば、外すまでは誰も入って来ません。これは日本のホテルでも同じですが。
ベッドの上には翌日の日本語の船内新聞が置いてある。
夕食から帰って来ると綺麗にベッドメイクをしたベッドの上に日本語で印刷したA4版の小冊子のような翌日の船内新聞がきちんと置いてありました。新聞の題字は青地に白抜き文字で大きくCelebrity TODAYと書いてあり、新聞には今日の日付とドレスコードの種類、寄港地入港時間と出港時間、主な特記事項、注意事項、本日のおすすめイベント、寄港地案内、本日の催し物、各レストランやバー・アミューズメントコーナーなどの営業時間が細かく書いてあり、船内生活上とても便利な新聞でした。
ベッドメイクした枕の上には可愛いチョコレートが!
ベッドメイクに来るスタッフは何人かいて、それぞれに枕の置き方が異なり、独特の形を作っています。見れば、ああ彼かな?と分かります。そして一番上の枕にはセレブリティクルーズの文字とシンボルマークの大きいX(エックス)が白抜きで書いてあるブルーの包装紙の3.5cm角位の可愛い板チョコが一枚ぽつんと置いてありました。
プール、ジャグジーで悔しい思い!
ミレニアムにはソラリュウムという屋内プールやジャグジーと2つの屋外プールとジャグジーがあります。さすがにまだ寒かったためか屋外プールで泳いでいる人は見掛けませんでしたが、屋内プールやジャグジーは結構な賑わいでした。
中でも、ジャグジーはのんびりとした語らいの場として、またシャワーだけの欲求不満を解消するのに最適のようでしたし、船酔いを癒す効果もあったようです。ところが私たちは季節も季節だしということで水着を持って行かなかったのです。夕食会のお仲間たちは皆水着持参、ジャグジーで楽しい語らいをしていたようなのです。本当に悔しい思いをしました。後日クルーズのベテランライターの旅行記を読んだら冬でも水着は持って行くと書いてありました。
船のバックヤードツアーに参加した大分グループからの寄稿。
4月26日(水)終日クルーズの日、朝10:45から「船のバックヤードツアー」と銘打った、普段は関係者以外立ち入ることが出来ない操舵室・厨房・洗濯室・エンジン制御室などを見学する有料のツアーが催されました。操舵室や機関室に入るため金属探知機検査や大まかなボディチェックがありました。この他に厨房のみの見学会もありましたがこれは無料でした。この「船のバックヤードツアー」に参加した大分グループに厨房の見学記を書いて頂きました。(以下寄稿文)
私達(註:大分グループ)は26日に船のバックヤードツアーに参加しました。その時の事を少々。
スタッフは半年間休み無し。問題行動があれば即刻下船!備品、食材等はマイアミの本社から届けられるそうです。船内感染症を予防することと海を汚さない事を目的に残飯の中で魚の餌になる物だけ沖に流し,海を汚す物は全てリサイクル出来る物はリサイクル、ゴミは細かく分別され生ゴミは大型冷蔵庫で保管されていました。私達の楽しい時間はこうやって支えられていたのですね。(原文のまま)
唯一の買い物、10ドルの時計は優れもの!
毎日夕食時にはレストランに行くのに必ずショップの集まっている通りを通ります。その通りではワゴンセールをやっていて、時々品物は変わりますが10ドルの商品を売っていて、それが玩具ではなくまともな商品なのです。そこに10ドルの時計が何種類か出ていて毎日通りがてら見ている内に段々欲しくなって来ました。
最後の夕食会の後そこを通り、買えるのは今日が最後だと思ったら無性に10ドルの時計が欲しくなり買ってしまいました。
その黒い時計はデジタル腕時計で、時計の場合も1秒毎の数字が2分の1秒毎に切り替えられたリ、ストップウオッチになったり、毎日の曜日が変わったり、アラームが鳴るようになったりと色々な機能が付いていて、これが10ドル(日本円で1,100円位)とは信じられない程で、下船後1か月以上になりますが愛用しています。LIGHTの釦を押すと数字だけが光るので夜ふと目を覚ました時に時間を確かめるのにとても便利です。
「下船病」って初めて聞いた!
下船して2~3日してから、家内が「めまいがしてよく歩けない」と寝込んでしまい、医者に連れて行かなければと心配していたところ、クルーズのお仲間でやはり同様な症状になった方がいて、これは「下船病」とのことでしたので、ネットで調べてみたところ長い航海を経て下船した時によく起きる症状で、船酔いと同じような状態が再現するらしく長い人は1か月も1年も続く人もいて、船員さんでもこの「下船病」になる人もいるようです。脳がいつまでも「揺れ」を記憶しているのでしょうか?
お陰様で家内も今は正常に戻りましたが、私は乗り物酔いの経験が全くないので何ともありませんでした。
費用の構成は何と何?
船でのクルーズの費用はまず船室料(使用料)で、これは使用する船室のグレードにより異なります。一般的には上級クラスの特別船室(この中にも幾つかのクラスがあります)。海側(オーシャンビュー)のバルコニー付船室。海側だけれどもバルコニーがなく海が見える大きな窓だけの船室。巾広い船の中央部に位置し海に面していない全く窓のない船室。船の客室階の下階(海面に近い所)にあり小さな丸窓しか付いていない船室などがあり、それぞれ料金が異なります。
他のクルーズ船でも殆どはこのような分け方になっていると思います。
一般的には、ホテルのような狭いシングル(ベッド)の船室は無く、最小単位がツイン(ベッド)の船室になります。シングル客の場合はシングル使用となるので料金もやや高くなります。
この他の別途費用としては、各寄港地への「寄港料」、「港湾施設使用料」、「税」、「期間内の全チップ」などがあり、期間内の船室使用料にこれらを加えた費用を最初にクルーズ代金として取扱い旅行会社に支払います。
その他乗船客が手当するものには、今回のような外国船によるクルーズの場合は期間内の「海外旅行保険」がありますが、この保険を掛けていないとクルーズ中に具合が悪くなり医務室で診療・治療を受けた場合に高額の医療費の請求を受けるようです。また長期間に必要なものを詰め込んだ大きなスーツケースの船までの往復の配送料(自分で運ぶ場合は不要ですが)などがあります。
その他には、船まで(発着地まで)の交通費の他、服飾品など諸々の準備費用がありますが、これは船旅の経験の有る無しで変わります。
オプショナルツアーは温泉付き?
長崎、釜山、新潟、青森、仙台の各寄港地ではオプションとして別途料金のバスツアーがあり、それぞれに3時間から4、5時間、長いのは7時間のコースが4~7通りあり、長崎以外には必ず温泉付きのものが1コースありました。バスツアーに行く人はそのどれかに申し込むわけですが、お仕着せコースの中でも人気のあるコースはすぐ満員になるようでした。
自由行動の人も多く、皆自分たちの行きたいところへ決まったルートを走る無料のシャトルバスやタクシーを利用して行き、決められた帰船時間前には皆戻って来ましたが、仙台港では帰船時間もとっくに過ぎ、各乗船口のタラップも皆外され最後の船のスタッフ用のタラップも外されようとしている時に、4人の若い男性たちが息せき切って駆け込んで来ました。たまたま上の甲板から見ていたのですが間一髪でした。多分タクシーを飛ばして帰って来たのでしょう。
寄港地もさまざま。デカイのが来たあ~!というような所も。
年間に大型クルーズ船が200隻近くも入港する横浜港や長崎港は、埠頭もそれなりに大きく立派で港湾設備も整い街の中心部からも近い利便性のよい所にありますが、今回のクルーズでの寄港地、新潟港、青森港、仙台港の3港は官民挙げてのクルーズ船誘致運動の甲斐あって実現した、初めてのミレニアムのような大きなクルーズ客船の入港着岸でした。
ただ、大きな長さ300mもあるようなクルーズ船を係留できるような客船用埠頭やターミナルがあるわけではないので、大きなコンテナ船や貨物船が荷物の積み降ろしをするコンテナ埠頭や貨物や砂利などを積み降ろしする貨物埠頭を利用していました。
3寄港地の埠頭は市街地からは遠い!特に4月27日(木)寄港の新潟港は!
この3寄港地に共通するのは皆市の中心部から遠いということです。一番遠いと思われる新潟は今迄の信濃川河口の港ではとても大きな吃水の深い船は出入り出来ず、新潟市の一番外れの新発田市に近い新潟東港にある貨物積み降ろし用の南埠頭に着岸しました。ここは新潟市の中心部から阿賀野川を越え直線距離で9.5km、車の走行距離で12~13km位も離れた所にあり立地的には大型クルーズ船を誘致するには少々難があると思われるような場所でした。しかし、歩いて行けるような見所もないので、船客たちはオプショナルツアーのバスやシャトルバスやタクシーに乗って思い思いに散って行きましたが、船に残って船内生活をエンジョイした人たちも大勢いるようでした。
4月28日(金)入港の青森港では市民見学会も。
市の広報や地元メディアなどで募集し抽選で決まった30人の市民見学者のミレニアム船内見学会が午前10時から午前11時まで行われました。埠頭には一般観衆の立ち入り禁止の柵が設けられ、見学者は抽選に当たった者のみでパスポートか運転免許証の携帯を求められ、見学経路に階段があるため車椅子使用者は参加出来ないという厳しいものだったようです。
出港時には、徐々に埠頭岸壁と離れていく我々の船に、見送る人たちはそれほど多くはありませんでしたが、8人の人達が演奏するねぶた囃子と、両手を大きく振っている人たちや、「青森へまた来てね!」という大きな横断幕を掲げて別れを惜しむ人たちへ、船のデッキの手すりに目白押しに並んだ船客たちの「ありがと~う!」「また来るからね~!」と手を振って応える姿がとても感動的でした。
4月29日(土)、仙台港ではミレニアムが着岸する埠頭を間違えた!
仙台港には四角い埋立地の角を挟んで90度向きの違う埠頭があり、片方にはサイロが建ち巨大な走行クレーンが2,3基立ち並んでいて、埠頭岸壁の着岸部近くにはそのレールも走っています。90度向きの違うもう片方は埠頭岸壁と広い駐車場でクレーンのような港湾施設はないように見えました。しかし、ミレニアムが着岸するのはその港湾施設の走行クレーンがある方の高松埠頭なのです。
そこで信じられないようなことが起きました!着岸するのは走行クレーンのない方の埠頭と思ったのか、船の長さの2/3位埠頭に沿って前進したところで間違いに気付いたらしく停止し、しばらくして後進を始めました。船は一旦沖合に出て向きを変え、ようやく決められた方の埠頭に着岸しました。水先案内人はもう下船していたのかもしれませんが、タグボートも傍にいたのにどうして間違えたのか不思議です。尤もミレニアムも仙台港に初寄港の過去最大のクルーズ船だったので、まさか船のすぐ傍まで巨大な走行クレーンが立ちはだかる方の埠頭に着岸すると思わなかったのかもしれません。どう見ても客船の着岸する埠頭の雰囲気じゃないですから・・・
実はこのドラマのような着岸間違いには乗っていて全然気付かず、後日YouTubeでミレニアムの各寄港地への入出港シーンの動画を見て初めて知りビックリしました。
埠頭では初寄港歓迎のセレモニーなどがあり、歓迎の武者姿の人達も居たようなのですが。
仙台港を出港した夜に配られた最後の船内新聞と注意事項案内。
4月29日(土)の晩に届けられた4月30日(日)の船内新聞「TODAY」には、下船について・お別れの言葉・東京の概要紹介などが第1面に、裏面の下船に関する重要な案内では、航海距離・精算・注意事項・免税限度額・検疫についての記事がありました。
その他届けられた別紙では、下船前の確認事項として、横浜で降ろす荷物を廊下の部屋出入り口脇に出して置く時間・下船日朝の食事案内・客室の利用期限時間・下船方法・精算等・持込禁止預かり品の返却・免税限度額・カジノの精算等注意事項の他、横浜ターミナルでの手荷物(スーツケース)引き渡しのグループ分け毎の集合時間・場所が載った表がありました。また、船内で支払ったクレジットカードの引落し明細書(ドルで英語)とアンケート用紙もありました。
4月29日(土)の夜、ミレニアムは一路横浜へ。
宮城・福島・茨城の沿岸沿いを一路南下、ミレニアムは快調に走っています。海は穏やかでまるで辷るようです。漆黒の闇の中、バルコニーに出てみると船がかき分ける波の音と、走る船が切る風の音だけ。クルーズ最後の晩です。実に楽しい9日間でした。
ただいま~!今、ベイブリッジを潜ったよ~!
朝早く東京湾に入ったミレニアムは割と間近に房総半島を望みながら減速して走っていました。行き交う船も多くなりました。4隻のタグボートがダイヤのような形に隊形を組んで後を追って来ていました。ベイブリッジが間近に迫って来る頃になると橋を潜る劇的な瞬間をカメラに収めようとカメラを構えている人、煙突が橋にぶつからないだろうかと不安げに見ている人、11階のデッキにはそのような人たちが集まって来ました。
煙突がぶつかる!
下から煙突と橋桁を見上げていると、本当にすれすれの感じでした。実際には何mも余裕があったのでしょうが・・・橋桁には中央の海面から一番高い個所に縦に赤い2本のラインの入った目印の円盤が着いていましたが、背の高い大型船は其処を通るようにということなのでしょう。
ベイブリッジを潜りました。横浜港です!9日間のクルーズを無事終えて帰って来ました。ミレニアムが向かう大桟橋の向こうには、左右にみなとみらいの建物たちを従えたような堂々としたランドマークタワーがひと際高く聳えていました。
久しぶりの大桟橋!着いたのは行く時とは反対側だった。
横浜の名所であるユニークな形をした大桟橋の、出港時の山下公園側とは反対のみなとみらい側に舳先を先にして着岸しました。後程、みなとみらいの公園広場でミレニアムの絵を描いていた人に聞いたらミレニアムが舳先(船首)を先にして停泊するのは珍しいと云っていました。
大桟橋の屋根のような屋上広場には出迎えの人々や見物の人々が大きなミレニアムを見上げたり手を振ったりしていましたが、出港時のような賑やかさはなく静かな出迎えでした。
下船までのひと時を所在無げに待つ人々。
次の台湾クルーズの準備作業のため、午前8時まで使用出来た船室も8時で閉鎖され船客たちは9時50分頃に始まる下船の自分の順番が来るまで何処かで待つことになりました。
素早い人たちが押し掛けた10Fのビュッフェはオープンデッキさえも座る椅子もない程の超満員!プールの周りには行き場のない人々が思い思いにビーチベッドに座り所在無げに待つ姿がありました。ここでまた偶然にも私たちは大分グループの3人にバッタリ!早速プールグリルの空いた席に陣取り家内も加わって賑やかにおしゃべり開始。周りに所在無げにしている人たちの中で又もや目立つ一角となりました。
大分グループの彼女たちとの慌ただしい別れ。
ふと気付くともう10時15分!私達の4階シアターへの集合時間は10時25分!ヤバイ!とエレベーターホールへ飛んで行きました。大分グループにさよならの挨拶をしたかのかしなかったのか?考えてみれば彼女たちとは荷札番号がブルー14の同じグループだったのです。後で、一緒に駆けて行けばよかったと後悔しきりでした。この後下船してターミナルの手荷物集積所に行っても大分グループと再び会うことはありませんでした。
京都・大津グループとも不本意な別れ。
京都・大津グループとは29日の夕食会が最後となってしまいました。29日が最後の夕食会なので周囲のテーブルの客が段々少なくなって来ても、我々は名残惜しさもあり食後も楽しく談笑していましたが、9時40分も過ぎた頃、ふと、10時までにスーツケースを廊下に出して置かなければならず、まだ出していないことに気付き慌てて席を立ち、「お先に!」と部屋に飛んで帰りました。
無事スーツケースを廊下に出し、お別れの挨拶もしていないし、もしかしたら皆さんはまだ夕食会の席にいるかもとまたメトロポリタンに急いで戻りました。途中もう殆ど空席になっている客席のテーブルの先に、我らがお仲間たちの姿が見えた時はホッとしました。しかし、時間も時間のためクローズも間近になっていて、9日間のお付き合いのお礼も十分に云えず不本意なお別れをしてしまったことが極めて残念で、その無念さはいつまでも頭の中にありました。
船室の壁には入った時から、お使い下さいと素敵なトートバッグが掛かっていた。
上部の開く口の周りに水色の縁取りがしてあり、同じ水色の下げ紐の着いた紺色のバッグの下の方には、白抜きのロゴで大きくCelebrityXCruisesと書いてあり、色合いと云い中々洒落たトートバッグです。
船内でもこのトートバッグを肩に掛けて歩いている女性もいて中々素敵でした。勿論記念にと頂いて帰りました。 船客の中には、クローゼットに掛かっているバスローブも持って行く人がいるようで、後日請求すると書いてありました。
廊下には大きな洗濯袋が行列!
30日、最後に船室を出たら、長い廊下の壁手摺に大きな布の袋が掛けてあり、1部屋毎にシーツや布団カバー・枕カバー・バスタオルやバスローブなどを入れランドリーに運ぶ袋のようで延々と続く大きな袋の行列は壮観でした。
そうだ!10Fのビュッフェの床に大きな丸窓があり真下は海だったんだ!
10Fのビュッフェの大きな出窓のようになっている客席の床には、出窓の左右に直径90cmから1mはありそうなガラス入りの丸窓が付いていて、こわごわ覗くと真下は白波立つ大海原!
勿論ガラスは厚い強化ガラスが何層にも嵌め込んであり、人が数人乗っても、家具が載ったり倒れてぶつかったりしても十分に耐えられるように設計されている筈ですが、高所恐怖症には近くの席に座ることも無理でしょう。家内は何とその丸窓のガラスの真ん中に立ったのです!高い所 でも平気なのです。何と可愛げがない!
真横から見たミレニアムはとてもスマートだった。
下船してから、海に浮いている姿を真横から見たいと歩いて赤煉瓦倉庫横の公園まで行ってみました。大桟橋に停泊しているミレニアムのサイドビュウは紺と白の塗り分けのためか、物凄くスマートです。大型クルーズ客船の中でも際立ってスマートなのではないかと思う位でした。それにしても300m近くあると何と長いこと!丁度右舷を私の居る公園側に見せていたので、私たちが9日間生活していた右舷6階の6026号室がとてもよく見えました。あそこに寝泊まりして居たんだなあと・・・
公園にミレニアムをスケッチしている絵描きさんがいた。
その絵描きさんは折り畳みの小さな椅子に座り、スケッチブックにミレニアムを見ながら鉛筆でスケッチしていました。 のぞき込むと素晴らしい鉛筆画のミレニアムが完成間近でした。
思わず「私たちは、今その船から降りて来たのですよ。9日間のクルーズに行って来ました。いい船でしたよ。」と話しかけました。「いやあ、羨ましいですねえ。」と話ははずみ、ミレニアムが舳先を大桟橋の根元(出入口方向)に向けて停泊するのは珍しいことなどを、スケッチブックに描いた色々な姿のミレニアムのスケッチを見せながら説明してくれました。どれもがとても素晴らしい鉛筆画でした。
9月には関内の画廊で個展を開き今描いているこのミレニアムの鉛筆画も出品すると云うことなので、個展は是非観に行きたいこと、また今降りたばかりのこのミレニアムの鉛筆画を是非売ってほしいことを話したところ、画廊を経営している姉に他に売らないように伝えて置くと云ってくれました。9月が楽しみです。
私たちの初めてのクルーズはこのようなことでしたが、とても楽しい船旅を経験しました。
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クルーズマスター
小泉 芳弘
koizumi
約30年に亘り、商品企画から販売までクルーズ全般に携わる。2007年にはクルーズのプロの証と言える「クルーズ・マスター」に認定。クルーズ乗船歴は、世界最高峰の名船『ロイヤル・バイキング・サン』からカジュアル客船まで約300回を超える。
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