海外のゴルフ大会に参加するという選択肢
海外ゴルフといえば「名コースを巡る旅」が多いと思いますが、旅の形はもう一歩先へ進める余地がある気がしています。
今回ご提案するのは「旅先で大会に参加する」という選択肢です。世界には、ハンディキャップ区分やチーム戦を中心にした大会も多く、実力が違っていても、一緒に戦える仕組みが整っている国際大会がいくつもあります。
少しの冒険と、ほんの少しの挑戦。そのふたつが加わることで、旅は何倍も濃くなるかもしれません。
アマチュアでも参加できる国際大会がある
世界のアマチュア大会にはワールドハンディキャップインデックス(WHS)を利用した「ネット競技」が多くあります。これは、ハンディキャップによって実力差を吸収し、誰もがフェアに競える競技方式です。「挑戦する気持ちがあれば、誰にでも舞台は開かれている」ということです。
いくつか例を挙げてみましょう。
Somabay World Cup(エジプト・紅海)
Somabay World Cupは、国を代表する形で参加するアマチュアの国際大会です。とはいえ、雰囲気は決して硬くありません。ハンディキャップ戦なので、どんな腕前でも優勝するチャンスがあります。日本代表決定戦が日本国内で行われ、上位者は日本代表としてエジプト・紅海へ。海、砂漠、風。その非日常の景色の中で、世界中から来たゴルファーと同じ空気を吸いながらプレーすることができます。
朝は競技、夜はパーティ。初日はぎこちなかった他国の選手との会話が、最終日には、ずっと前から知り合いだったかのように自然になる、素敵な国際大会です。友達も多くできると思いますし、年に1度、大会に挑戦するという居場所もできます。

ソマベイのケンピンスキー ホテル
St Andrews Golf Week(スコットランド)
St Andrews Golf Weekは、ゴルフの聖地で行われる、アマチュアのための一週間です。セントアンドリュース オールドコース、セントアンドリュース リンクス ニューコース、ジュビリーコース、キャッスルコース、そしてキングスバーンズ ゴルフ リンクス。名だたるリンクスを日替わりでプレーできます。
1974年から続き、世界中のゴルファーが集まる大会で、Scramble、Stableford、Medal(グロス)、ニアピンなど、どんなレベルのゴルファーにも、チャレンジができるフォーマットです。憧れのセントアンドリュースで名前を呼ばれて、聖地のティーイングエリアに立つ瞬間は、他では味わえないものです。タイガーやニクラスと同じ芝を踏み競技ができる、貴重な1週間です。オールドコースでのスタート枠はなかなか貴重ですから、この機会を使ってオールドコースをプレーするというのも賢い選択肢かもしれません。

セント アンドリュース オールドコース
Vietnam World Masters(ダナン)
Vietnam World Mastersは、40カ国以上から参加者が集まる国際大会です。平均ハンデ帯は10〜22。旅を楽しみながら挑戦したいアマチュアゴルファーにちょうどいい大会です。ベトナムのトップコースを一気にプレーできますし、ダナンは直行便を使用して5時間程度で行けますから、こちらもおすすめです。

ホイアナ ショアーズ ゴルフ クラブ
参加に必要な準備
ハンディキャップ証明書があれば、ほとんどの大会に参加できます。WHS(J-sysのハンディキャップ)で問題ありません。一人で参加しても良いですし、誰かと一緒に挑戦しても良いですね。
旅行計画は、「移動 → 練習日 → 大会 → 余白の一日」くらいが、ちょうどよいと思います。
次の旅は “自分が出場する旅”に
こうした国際大会は、驚くほど贅沢で素晴らしいゴルフコースで開催されることが多いので、憧れのコースでのプレーと、競技に挑戦するという目的が一度に達成できる、貴重な機会でもあります。その旅で打った一球は、良くても悪くても、きっと記憶になる一球です。日常の練習やラウンドに、そっと火を灯してくれますよ。