ジェームズ・ボンドが愛した英国の聖地 ―― ストークパーク
ロンドン中心部から車で約1時間。ヒースロー空港からもアクセスしやすいバッキンガムシャーの森に、ストーク パークがあります。
ロンドン滞在と組み合わせやすい距離にありながら、ゲートを抜けた瞬間、そこには英国映画のような雰囲気が広がります。パラーディオ様式の白亜の邸宅、深い森、朝霧に包まれるフェアウェイ。その空気感は、現代的なリゾートというより、“古き良き英国”そのものです。
ここは1964年公開の映画『007 ゴールドフィンガー』で、ジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)と宿敵ゴールドフィンガーが、互いのプライドを賭けて戦った聖地として知られています。
ショーン・コネリーを変えた「60年前の特訓」
ボンド役のショーン・コネリーは、実は撮影前までゴルフをほとんどプレーしたことがありませんでした。しかし、代役を使わず自らゴルファー役を演じるため、この地で猛特訓を敢行。その過程でゴルフという競技の奥深さに魅了され、生涯の情熱へと変わっていったと言われています。劇中、18番グリーンでボンドが相手の不正を見抜き、「君のボールはスラセンジャーの1番だったね? これは7番だ」と静かに突きつけるシーンは007シリーズを代表する名シーンの一つです。
訪れるゴルファーの多くが、このクラブハウスを背景に写真を撮ります。ここはまた、映画『ブリジット・ジョーンズの日記』で、ヒュー・グラント演じるダニエルがボートを漕いでいた場所としても知られています。
ロイ・マカヴォイの魂が宿る砂漠のオアシス ――チューバック
アメリカ・アリゾナ州にも映画の舞台となった象徴的なゴルフ場があります。映画『ティン・カップ』(1996年)の舞台となった、テューバック ゴルフリゾート(Tubac Golf Resort & Spa)です。
朝晩は涼しく、乾いた砂漠の空気が肌を抜けていく。アリゾナ特有の強い光の中で見るフェアウェイは、日本のゴルフ場とはまったく異なる表情を見せてくれます。
ケビン・コスナー演じるロイ・マカヴォイが、池越えの2オンに挑み続けたシーン。劇中では全米オープンの舞台という設定でしたが、実際に撮影が行われたのは、チューバックのランチョコース4番パー5です。現地を訪れるゴルファーたちは、今もロイと同じようにウッドを握り、「刻むか、狙うか」の誘惑に晒されます。
合理性ではなく、美学を選ぶ。『ティン・カップ』が今なおゴルファーに愛される理由は、その無謀さの中に、“ゴルフのロマン”があるからでしょう。
物語を追体験するために
会員制のカントリークラブとしてスタートしたストーク パークは、2021年のオーナー交代以降、現在はビジターへの開放を始めました。事前にプランニングしていけば、実際にプレーをすることができます。
テューバック ゴルフリゾートは、ゴルフリゾートが点在するアリゾナ州のツーソンから45分ほど行った場所です。TPCスコッツデールがあるスコッツデールと組み合わせて訪れてみるのも良いかもしれません。
ちなみに、日本にも意外なロケ地があります。映画『翔んで埼玉』の学校のシーンのロケ地となったのは、栃木県のメイフラワー ゴルフクラブのクラブハウスだそうです。