海外ゴルフおすすめの行き先 パリ近郊

本家イギリスから伝来したフランスのゴルフは、ヨーロッパ大陸で最も長い歴史があります。伝統的に富裕層のスポーツと位置付けられてきたためか、メンバー優先の傾向が強く、なかにはビジターを受け付けていないゴルフ場、ビジターはクラブハウスに入れないゴルフ場も。一方で、フランスゴルフ連盟が1990年にゴルフ ナショナルを開場し、メジャー大会が開かれるようになってから、フランスのゴルフも大衆化しつつあります。

観光客にも比較的オープンなスコットランドのゴルフ場に比べると、フランスのゴルフはややハードルが高く感じるかもしれませんが、これもフランスらしさ。アジアなどのカジュアルなゴルフや開放的なリゾートゴルフとは一線を画す、伝統の重みと格式の高さが魅力と言えるでしょう。旅行者のプレーヤーはあくまでもゲスト。紳士淑女のマナーを心がけ、優雅にプレーを楽しみたいものです。

2024年のパリ五輪でゴルフ競技の会場となったのが、名門のル ゴルフ ナショナル（※パリ五輪後、2026年春まで休業予定）。2023年のDPワールドツアー（ヨーロピアンツアー）で、当時21歳の久常涼が海外ツアー初優勝を果たした場所でもあります。ベルサイユ宮殿に近接しているので、アフターゴルフの観光にも魅力的なロケーションです。

パリ近郊ではほかにも、築数百年のマナーハウスがクラブハウスになっているゴルフ場、シャトー（古城）ホテルに宿泊できるゴルフツアー、木立の間からエッフェル塔が見えるコース、豊かな森の中に広がるコースなど、さまざまなゴルフ体験が叶います。積み重ねられた歴史を感じながらのラウンドは格別なもの。調度1つ、樹木1本を大切に守ってきた地元の人たちに敬意を払わずにはいられません。

フランスは伝統を重んじ、美しい景観を守ることに意識の高い国。かつて貴族の狩猟場などに使われていた森や緑地が、公園やゴルフ場となってその姿をとどめていることも少なくありません。手押しカートを引きながら平野と森が交差するコースをのんびり歩き、歴史あるクラブハウスに昔の名残りを感じるひとときは、パリ近郊のゴルフ場でプレイする醍醐味。パリ中心部から1時間ほどの距離に点在する緑豊かなコースで、野鳥のさえずりを聞きながら、森や大地を散策するようなラウンドを楽しみましょう。

パリには一生に一度は訪れたい美術館、博物館、ギャラリーがずらり。レストラン、カフェ、バー、パティスリーにブーランジェリーと、グルメスポットもキリがありません。ショッピングなら、カジュアルからハイエンドまで数多あるブランドショップだけでなく、地元の人たちのリアルなライフスタイルに触れられるマルシェ（市場）も人気です。

アフターゴルフにあれもこれもと欲張りたくなるパリでは、日程に余裕をもって暮らすように滞在してみましょう。朝はコーヒーとカスクートを片手にゴルフ場へ向かい、ラウンド後はホテルでシャワーを浴びてから美術館へ出かけ、ショッピングを楽しみ、夜はのんびりと美食やワインを味わう――知的好奇心も物欲も、お腹も満たされながらゴルフを楽しめます。パリ郊外のフラットに泊まれば滞在費もセーブできるので、旅行会社などに相談してみましょう。