ペブルビーチ ゴルフ リンクス

『宝島』の筆者、ロバート・ルイス・スティーブンソンは、ペブルビーチ近郊の地形を 「海と地のもっとも偉大な邂逅」と呼んだそうです。そしてその景観から『宝島』のインスピレーションを得たと言われています。
スティーブンソンはゴルフコースができる前に逝去していますが、もし断崖に波が打ち寄せる荒々しさと緑のフェアウェイと白亜のバンカーのコントラストを見ていたら、なんと表現したでしょうか。

1番から4番までは比較的穏やかなオープニングホールが続きますが、5番から海に面したドラマチックなホールがスタートします。世界一有名なパー3にも数えられる7番をクリアすると、最初のクライマックスである崖越えの8番を迎えます。
帝王ニクラスは、8番ホールの2打目地点からのショットを「最も素晴らしいセカンドショット」と感慨に浸り、タイガー・ウッズはこのホールについて「最も困難なアプローチショットの1つ」と表現します。

会心の一打でも、悔いが残るショットになっても、その日の夕食の話題には尽きないホールになることでしょう。

「メモラビリティ（記憶に残るホール構成か）」は、私たちゴルファーがコースを評価する際に重要視するポイントでしょう。落ち着いた1番ホールから海沿いの美しいホールを通過すると再び内陸のホールに入ります。そしてラウンドの終盤、クライマックスに訪れるのが17番パー3です。細長いグリーンに対してロングアイアンかフェアウェイウッドを必要とする難易度の高いホールですが、ここは1982年全米オープンでトム・ワトソンがチップインバーディを奪って優勝に繋げた場所です。キャディ付きでプレーすれば解説付きでその状況を教えてくれるでしょう。そして最終18番は、海沿い左ドッグレッグのパー5。これ以上にない舞台で、ラウンドを締めくくることになります。

「とにかくペブルビーチ！」と思うかも知れませんが、リゾート内の他コースも必見です。ロバート・トレント・ジョーンズSr.設計のスパイグラスヒル ゴルフ コースは、AT&Tペブルビーチプロアマで使用するコースの一つで、世界トップ100の常連。背の高い松に囲まれたインランドからスタートし、3番ホールからは太平洋望むリンクスランドへ。ゴルフコースの楽しみを全て凝縮したような18ホールの旅は圧倒的で、ストーリー性に富んだコースです。個人的には、ペブルビーチよりもスパイグラスヒルのほうが好きかもしれない…そう悩むほど魅力的なコースです。 他にも、リゾート内のリンクス アット スパニッシュベイや、デルモンテ ゴルフ コースも超一流。またリゾートからほど近いポピーヒルズゴルフコースも時間があれば回ってみてください。これらも、負けず劣らずの世界的パークランドコースです。

ペブルビーチリゾートには、いくつかのホテルやロッジが点在していますが、その中でも是非滞在していただきたいのがザ ロッジ アット ペブルビーチです。TV中継で18番沿いに映ることもしばしばある、あの白亜のロッジ。ロッジといっても中に入れば、そこはまるで映画の世界に入ったかのような重厚感。落ち着いた家具に囲まれた中心には暖炉。夏場でも朝晩冷え込むことがあるモントレー半島ですが、寒さが嬉しくなるほど、暖炉遊びもロッジ滞在の魅力の一つです。
部屋からの眺望のカテゴリーはいくつかありますが、やはりおすすめは18番ホールに面したオーシャンビュールーム。価格も超一流ですが、朝目覚めてカーテンを開けた時の感動はプライスレスです。