スパイグラス ヒル ゴルフ コース

このコースのホールにはそれぞれ『宝島』に関連した名前が付けられています。モントレー湾に向かって下っていく豪快な1番パー5は、小説のタイトルでもある「トレジャー・アイランド」と名付けられています。2打目からグリーンに向かうアプローチショットは、まさに冒険の始まりのようなホール。ここから2番から5番までは、モントレー湾を眺めながらのプレーが続きます。短い3番パー3は、モントレーの名所であるバードロックと隣接しているサイプレスポイントを見ながら海に向かって打ち下ろしていく豪快なティショットを楽しめます。そして続く4番パー4はロバート・トレント・ジョーンズ・シニアが「最も気に入っている」と言うように、素晴らしい景観と、１車線分ほどしかない細長くユニークな形状をしたグリーンが特徴の名ホールです。5番までのオーシャンビューのオープニングホールたちは、世界最高峰のオープニング5ホールと言っても良いほどの素晴らしいストレッチです。

6番ホールからは高い松が群生するデルモンテフォレストの中に入っていきます。1番から5番までの砂丘のオーシャンビューコースから一変、背の高い木にセパレートされた美しい林間コースに様変わりし、スパイグラスヒルは第2章に入ります。特に魅力的なホールは、オーガスタナショナルの16番ホールを彷彿とさせる12番のショートパー3です。それもそのはず、ロバート・トレント・ジョーンズ・シニアは、オーガスタナショナルの16番の改修を行った後にこのホールを設計したそうです。形状は16番、風の影響による距離感の難しさはオーガスタナショナル12番にも例えられるこのホールは、アメリカ西部の名パー3の一つに数えられるでしょう。グリーン手前に池が待ち構える14番パー5は最後まで気が抜けない素晴らしいホールです。

スパイグラスヒルは数々の選手権やPGA TOURの大会を開催しているコースでもあります。毎年2月に開催されるAT&Tペブルビーチプロアマは、ペブルビーチゴルフリンクスを含む3コースを使って開催されますが、その使用コースの一つに名を連ねています。ゴルフ好きのNFL選手やコメディアンのビル・マレー、大物ビジネスパーソンなどがプレーするこの大会に出場するアマチュアは、このコースの難易度の高さに苦戦します。PGA TOURプレーヤーも例外ではなく、スパイグラスヒルでスコアを落として他のコースでスコアを稼ぐというのが例年の試合展開です。プロもアマも等しくその難しさを味わうことができる西海岸屈指のチャンピオンシップコースにぜひ挑戦してみてください。