セントアンドリュース オールドコース

一般的に「セントアンドリュース」として知られるのは、7つのゴルフコースを有するセントアンドリュースリンクス内のオールドコースです。

オールドコースにはグリーンが11個あります。元々は11ホールを「アウト」としてプレーし、折り返して同じグリーンを使う、「イン」の22ホールとしてプレーされていました。

1764年、のちにゴルフ統括団体となるR&A（Royal & Ancient Golf Club of St. Andrews）の前身の組織が22ホールを18ホールのレイアウトに定め、現在のオールドコースの原型となりました。ゴルフは18ホールというのは、この出来事によって現在まで続いているレガシーです。

そのR&Aのクラブハウスの目の前にあるのが1番ティです。まさにゴルフ史を目の前にしてのティーショットは非常に緊張しますが、安心してください。100ヤード以上のフェアウェイ幅があるので、気持ちよくスタートすることが出来ます。

緊張の1番ホールを抜けると数々の伝説的なホールが登場します。例えば11番の通称エデンホール。世界で最も有名なパー3の一つであるこのホールは、球聖ボビー・ジョーンズが大叩きをしてスコアカードを破り捨てたという逸話が残ります。グリーン手前にジョーンズを苦しめたストラスバンカーとヒルバンカーが待ち構え、グリーン奥に外せば難しいアプローチショットが残る名ホールです。エデンホールの素晴らしさは世界中のゴルフコース設計家によって模倣され、ゴルフのテンプレートホールとして知られています。

ホテルの看板の上を狙ってティショットを狙う右ドッグレッグの17番、通称ロードホールも世界的に有名なテンプレートホールの一つです。
オールドコースホテルは、鉄道の駅があった場所に1960年代に建てられたもので、ティショットで超えていく背の低い建物は当時の駅のプラットホームの屋根のレプリカです。

見えないフェアウェイに向かってドライバーを振り抜くのは勇気がいりますが、左に逃げれば難しい2打目が待ち構えます。そしてグリーン脇には、ネーミングの由来となった小道が。

人工物が象徴となるのもゴルフの寛容性の高さ故かもしれません。ゴルファーの挑戦意欲を掻き立て、ゴルフコース攻略の楽しさを教えてくれるホールです。この難関を通りぬければ、スウィルカンブリッジを渡りオールドコースでのプレーを羨ましそうに見守るギャラリーの待つ18番グリーンへ向かう足取りは軽いことでしょう。