
「レイアウトの多様性」 ゴルフ場設計の醍醐味

評価を受けるゴルフコース基準として重要視されている一つに「レイアウトの多様性(Layout Variety)」があります。
これは、各ホールが全体を通じてどれだけ変化に富んでいるかを指します。優れたコースは一つとして同じ印象のホールがなく、それぞれが独自の個性を持ちながらもコースとして一貫したストーリーを描いているような印象を受けます。
「レイアウトの多様性」として評価されるポイントは大きく三つに分かれます。
一つ目はコースの「骨格」です。たとえば、長短のパー3、4、5が適切に配置されているか、直線的なホールとドッグレッグのバランスが取れているか、アップヒルやダウンヒルといった高低差がコースに活かされているかという点です。これによりプレイヤーは飽きずにプレイを楽しむことができます。
二つ目は、各ホールの「独自性」です。ハザードの配置、グリーンの形状や狙いどころの方向性がホールごとに変化しているかが重要視されます。たとえば、グリーン手前にバンカーが配置されているホールもあれば、グリーンサイドにハザードがあるホールなど、設計の工夫が戦略性を引き出します。
三つ目は「ルーティング」、つまりラウンド全体の流れです。コースが持つ地形を最大限に活かし、ホール間の移動がスムーズで一貫性があると良いルーティングとされます。「次のホールはどんな挑戦が待っているのだろう」と期待感が煽られるコースは、プレイヤーを飽きさせませんよね。
例えば2024年に日本オープンを開催した東京ゴルフ倶楽部は、多様なレイアウトとして国内でも高い評価を受けている一つです。
短くも美しい1番ホールを終えると、目の前にはフェアウェイを斜めに走るフェアウェイバンカーが待ち構える2番ホールのティイングエリアがあります。その後も風向き次第では形相を変える、新しい挑戦が次々と展開する国内有数の名レイアウトコースです。
プレーに没頭しながら過ごしたラウンドを思い返してみてください。素晴らしいレイアウトのゴルフ場だったのではないでしょうか。このウェブサイトに掲載されたコースも素晴らしいレイアウトの多様性を持つコースばかりです。