アメリカの原風景に暮らす。パインハーストという滞在
パインハーストといえば、アメリカゴルフの本拠地とも呼ばれる一大ゴルフリゾートです。
フラッグシップのNo.2は全米オープンの舞台となり、ドナルド・ロスの代表作として知られるコースで、世界トップ100に数えられる名コースです。もちろん魅力的なコースで、これを目的に訪れる人が多いわけですが、私が滞在して一番印象に残るのはNo.2でのプレーではなく、ザ・カロライナ・ホテルで過ごす時間を含めた、滞在そのものでした。
ホテルの正面には、たくさんのロッキングチェアが並んでいます。本を読む人。ビールを飲む人。ただ景色を眺めている人。
日本なら、ゴルフを終えればホテルを出て、街を繰り出すことが楽しみですが、ここでは何もしない時間そのものを楽しむ時間が流れます。
コース選びも、この旅の楽しみ
現在のパインハーストには、No.1からNo.10まで10の18ホールのコースがあります。
10コースあること自体驚きで、とても全てのコースを一度の滞在でプレーできませんが、その中からどれを選ぶか悩めることが、このリゾートの面白さです。
初めてなら、もちろんNo.2は外せないでしょう。ゴルフコースマニアの間では、2番手にはNo.4、No.10が挙げられています。
ギル・ハンスによってリノベーションされたNo.4は、自然と戦略性のバランスが見事です。そして最新のNo.10は、これまでのパインハーストとは少し違う、新しい表情を見せてくれます。
No.1、No.3は、パインハーストの原型を楽しむことができますし、No.7はリゾートらしい穏やかな雰囲気があり、肩の力を抜いて楽しめます。
同じリゾートでありながら、これほど多様性のあるコースを有する場所は他にはないでしょうし、それが再訪の要因になるのでしょう。
ラウンドの後が、意外と長い
クラブハウス前には「ディスル・ドゥ」という大きなパッティンググリーンがあります。
ここは練習場というより、みんなが集まる広場のような場所です。18ホールカップが切ってあり、ビールを片手にパット勝負を始める人もいれば、隣のグループと自然に会話が始まることもあります。
私も少しだけ遊ぶつもりが、気付けばかなり長い時間ボールを転がしていました。隣にはショートコース「ザ・クレイドル」があり、音楽が流れ、笑い声が聞こえてくる。
スコアカードから解放される時間まで含めて、パインハーストなのだと思います。
パッケージを利用するという選択
このリゾートを訪れるなら、のような宿泊と食事、プレーがセットになったプランがおすすめです。
ホテル、朝夕食、プレーをまとめて予約できるだけでなく、No.2をはじめとする人気コースも確保しやすくなります。
そして滞在は、できれば4泊5日以上。朝食をゆっくり食べ、ヴィレッジを歩き、ロッキングチェアで過ごし、ディスル・ドゥで遊ぶ。
そうした時間があることで、このリゾートの魅力が日を追うごとに見えてきます。
ゴルフ場ではなく、ゴルフの街
部屋へ戻ると、ベッドサイドにはパインハーストのロゴが入った小さなチョコレートが置かれていました。それを食べながら、その日プレーしたコースを思い返します。
No.2のグリーン。No.4の景色。No.10の大胆な地形。もちろん、それらは印象に残っていますが、不思議と一番思い出すのは、ホテルのロッキングチェアに座った時間や、パッティンググリーンで遊んだ時間でした。
パインハーストは、世界有数のゴルフリゾートです。しかし「名コースが集まった場所」という単純なものではなく、ゴルフをしている時間も、していない時間も、自然とゴルフのことを考えてしまう。
そんな時間を過ごせる場所だからこそ、世界中のゴルファーが何度も帰ってくるのでしょう。

ペイン・スチュアートの銅像