「ショットオプション」 ゴルファーが楽しいと感じる多様な選択肢とは?
前回は、世界トップ100選の基準として、主に5つの項目が用いられるというお話をしました。今回は、その中の一つ「ショットオプション(Shot Options)」について掘り下げてみましょう。
次打に向かう際、次にどのクラブを選ぶか、どのルートを狙うか、迷うのもゴルフの醍醐味ですよね。この選択肢の連続こそ、ゴルファーに与えられる「ショットオプション」の魅力です。良いコース設計は、単なるナイスショットの連続でプレーを進めるだけでなく、自分のプレーでどのようにコースと向き合うかという楽しさを提供してくれるように設計されています。
戦略的にリスクを取るべきか、安全策を選ぶべきか、次打をどのような場所に置くべきかーープレイヤー自身の判断が問われる瞬間を数多く提供してくれるコースは、ゴルファーにとって何度でも訪れたくなるコースです。
例えば、同じフェアウェイでも、左サイドと右サイドではグリーンへのセカンドショットが表情を変えることもしばしば。単に真っ直ぐ、遠くに打つだけを考えるのではなく、コースがプレイヤーに問いかけ、意図的な意思決定を促す設計は、ゴルフの面白さを倍増させてくれます。
さらに、風向きや天候によってもショットオプションはより一層際立ちます。たとえば、風が強い日には低い弾道を狙うべきか、高いショットを打つべきかなど、日々変化する条件が新たな挑戦を生み出します。風が強いリンクスコースなどは、同じコースでも全く表情を変える場合もありますね。
このような多様性こそ、ゴルフを単調なスポーツではなく、創造的なゲームに変えてくれます。
「戦略性の高いコース」は、難易度が高いショットを要求するコースではなく、選択肢とその結果を18ホール問いかけ続けるコースと言われています。
ゴルフはゲームですから、そのゲームを面白くさせてくれる選択肢の連続があるコースが面白いと思います。セントアンドリュースオールドコースは、様々なショットオプションを提供する代表的な例と言えるかもしれません。