Groves
防寒とケガを防止するために重要な役割を果たす手袋
POINT
登山・トレッキング用の手袋(グローブ)は機能性や素材を重視して選びましょう。
ポイント1
登山・トレッキング用手袋を使う目的は「怪我の防止」と「防寒」に尽きます。軍手は荷下ろしなどの作業には向いていますが、一度濡れてしまうと滑りやすくて乾きにくく、また細かい操作が難しいので登山には不向きです。登山・トレッキング用手袋であっても夏の暑い時に厚手の手袋は負担になってしまうので、通気性、撥水性、防寒性、耐久性などの機能を理解した上でシーンによって使い分けましょう。基本的には夏は薄手、春秋はやや厚手、冬は厚手おすすめですが、薄手であっても防寒性の高い素材もあるので生地の厚みはあくまでも目安です。自然環境の激しい変化に対応するため数種類の手袋を携行することも有効です。
ポイント2
手袋の素材はポリエステル、アクリル、ウール、革、合成皮革など、様々です。手袋の最大の目的は登山者の安全を守ることなので、雨に濡れても乾きやすい素材、撥水性の高い素材などが用いられています。形状も、防寒を重視する場合、防水や撥水を重視する場合、滑りにくさや耐久性を重視する場合などにより異なります。いつ、どの山で、どのくらいの時間歩くのかによって素材と形状を選びましょう。
ポイント3
寒暖差の激しい山では、服装と同じく手袋にもレイヤリングがあります。ベースとなる手袋は通気性のよい薄手、アウターとなる部分は防水性と防寒性の高い丈夫な素材がおすすめです。
TYPE
手袋(グローブ)にもレイヤリング(重ね着)の考え方が当てはまります。
オーバーグローブ、インナーグローブなどの使い方を押さえておきましょう。
オーバーグローブとは、レイヤリング(重ね着)で最も外側に着ける手袋です。防寒・防水・耐久性に優れます。オーバーグローブの形状は5本指タイプ、3本指タイプ、ミトンタイプなどがあります。5本指タイプは細かな操作をするときに便利で、ミトンタイプは保温性に優れます。両方の良いところをとったものが3本指タイプです。
インナーグローブとは中厚手または薄手でレイヤリング(重ね着)のベースになる手袋です。防寒・防風性に優れ、ストックの長さ調節やザック(リュックサック・バックパック)の開閉などの細かな操作も問題なくできます。軽くてコンパクトで、汗を素早く吸収して発散します。春夏秋の3シーズンでは単体で多く使用します。濡れが乾きにくい綿素材は避け、手にしっかりフィットする大きさのものを選びましょう。
レイングローブとはその名の通り雨用の手袋です。防水機能だけでなく透湿性を兼ね備えたものがおすすめです。例えば透湿性が無いゴム手袋を装着して運動をすると汗でびしょ濡れになりますが、それを防ぐために外側からの水を弾き、内側の水蒸気を放出するタイプのものを選びましょう。また、完全防水であっても手首の隙間から水が内部に侵入しやすいので、袖口をゴムなどで調節することも重要です。
フィンガーレスグローブとは指先部分がカットされ、指の第1~第2関節から先がむき出しになるタイプの手袋です。ストックを使用する時や、写真を撮ったり、スマホを繰り返し操作するようなときには便利です。通気性がよく暑い時は快適ですが防寒性はかなり劣りますので寒いときの使用は控えましょう。
インサレーショングローブとは中綿が内側に入ったオールインワンタイプの手袋です。防寒性が高く、防水機能をもったものであれば雪のある時期にも対応できます。一方で、レイヤリング(重ね着)ができないので寒暖による調整はできません。インナーグローブに比べて操作性も劣ります。