Sleeping Bag
持って安心、使って便利な寝袋(シュラフ・スリーピングバッグ)
POINT
登山・トレッキング初心者の場合、寝袋(シュラフ・スリーピングバッグ)を使用するケースは多くありませんが、最近は寝袋を持参しなければならない山小屋もありますので持っていると安心です。
ポイント1
寝袋(シュラフ・スリーピングバッグ)の機能は「保温性」と「保湿性」が重要です。寝袋の保温力は数値で表されます。メーカーによって表示方法が変わりますが、使用の目安となるよう快適温度や最低使用温度が表示されています。ただし表示上の数字より実際は寒く感じることが多いので表示温度マイナス3~5度くらいで考えると良いでしょう。山小屋やテント内の温度が4〜5度の場合に快適温度7~8度の寝袋を使用するのがおすすめです。
保湿性は中綿がダウン(羽毛)の方が化繊に比べて優れます。ダウンはフィルパワーという数値が羽毛のかさ高性を表し、この数字が大きいほど良質でコンパクトに収納できることを意味します。
ポイント2
寝袋の中綿の素材は主にダウン(羽毛)と化繊の2種類です。ダウンは化繊より保温性が高く、コンパクトに収納できて軽いのが特徴です。デメリットは価格が高いことと、濡れると保温性を失うことです。逆に化繊はダウンより価格が安く、濡れても機能性を失わないことがメリットですが、容量と重量が負担になります。
ポイント3
寝袋はマットとセットにして使用します。寝袋だけでは固い床で体が痛くなりやすく、寒い時は冷気が伝わりやすくなるため、ウレタンやエアーマットを寝袋の下に敷いて使用しましょう。また、シュラフカバーがあるとさらに快適です。シュラフカバーは夏山では単体で使えるタイプもあるので非常時には寝袋代わりにもなります。また、濡れに弱いダウン製の寝袋を保護したり、保温性を高めるためにも有効です。汗による水蒸気を放出する透湿性のカバーをおすすめします。
TYPE
寝袋(シュラフ・スリーピングバッグ)にはいくつかの種類があります。登山・トレッキングに相応しいのはダウン製のマミー型の寝袋です。化繊製や封筒型やエッグ型、人型などはおすすめしません。
マミー型の寝袋は登山・トレッキングでは圧倒的に使用されています。マミー(Mummy)とはミイラのことで寝ているときの姿がミイラを連想させることからこの名がついたようです。頭まですっぽり寝袋をかぶることで隙間ができにくく保温性に優れます。また、他のタイプの寝袋よりコンパクトに収納できて軽いので登山向きといえます。中綿の種類はダウン又は化繊です。ダウン製は化繊製に比べて軽くて収納性に優れます。半面、水に濡れると機能を著しく損なうことと高価なことがデメリットですが、登山・トレッキングではダウンが主流です。
封筒のような四角形の寝袋です。マミー型に比べてゆったりと使うことができますが、容量と重量が増えるので登山向きではありません。掛け布団や敷布団代わりにもなるので荷物の量を気にしなくて良いオートキャンプ場で使う寝袋としては便利で一般的なタイプです。
マミー型や封筒型の他にエッグ型(たまごのような楕円形)や人型などがあります。エッグ型はマミー型と封筒型のメリットを取り入れたタイプで保温性と快適性に優れます。エッグ型のデメリットは容量が増えるので重くてかさばることです。人型はそのまま人間の形をしているので寝袋(シュラフ)を着るような感覚です。人型は軽量で動きやすいですが、手足が独立して作られているため中綿の量が全体的に少なく保温性に劣ります。いずれも保温性と収納性のバランスで比較すると登山ではマミー型が適していると言えます。