Manners
登山・トレッキング中のルールとマナーをいくつかご紹介します
POINT
登山・トレッキングでは登山者同士がお互いに協力し合うことでより安全性が高まります。
また、自然を愛護する気持ちを持つことで誰もが気持ちよく登山・トレッキングを楽しむことができます。
マナー1
登山道で他の登山者とすれ違うときは「おはようございます」「こんにちは」などとあいさつをして声をかけあいましょう。登山・トレッキングを気持ちよく楽しむためでもありますが、情報交換の意味もあります。先に下山した登山者にこの先の登山道の様子を聞いたり、登ってくる登山者がどのような様子であったかを覚えておくことで万が一の遭難時の手がかりにもなります。あいさつは人間関係の基本ですが、山ではお互いの安全のための意思疎通でもあります。
マナー2
登山道の前を歩く登山者が遅くてイライラすることもあるかもしれません。それぞれのペースが違うのは当たり前のことなので、焦って無理な追い越しをしないようにしましょう。登りの追い越しは体に負担がかかり、下りでは転倒の危険があります。相手が「お先にどうぞ」と言って安全な場所で待機してくれた場合は「ありがとうございます」と声をかけて、ゆっくり追い抜きましょう。
マナー3
登山道で登山者がすれ違うときは登る人を優先させることが基本です。登る人のペースを乱さないことと、下りが止まる方が安全であるためです。ただし、状況によっては下山する人を優先させる場合もあるので臨機応変に対応しましょう。登山道が左右の斜面になっていて道を譲るときは、止まる人が山側、歩く人が谷側が基本です。ザック(リュックサック・バックパック)は相手に当たらないように必ず山側に向けましょう。
マナー4
山小屋に泊まる場合や山小屋で休憩して飲食をする場合は、山小屋で提供された食事の食べ残しやペットボトル、缶を引き取ってくれることがありますが、それ以外の自分で出したごみは必ず持ち帰ります。そのためにゴミ用のビニール袋を必ず持参しましょう。生ゴミが出るときは袋を二重にし、ジッパー付の袋を使うと臭いを押さえることができます。
マナー5
高山植物が一斉に咲き誇るシーズンは一面花畑になり素晴らしい景観を楽しむことができます。しかし、どんなに綺麗な花でも絶対に摘んではいけません。高山植物は美しく可憐ですが、厳しい山の環境の中で一生懸命に花を咲かせています。花だけでなく、植物、樹木なども採集することはNGです。植生を守り、自然環境を保護することは未来に素晴らしい自然遺産を残すための登山者の義務です。
マナー6
登山・トレッキングをしていると、めったに見かけることのない珍しい生き物に出会うこともあります。動物によっては人間に危害を加えることもあるため、遠くから眺めて立ち去るのを待ちましょう。小さな可愛らしい小型動物でも決して驚かせたり、エサを与えてはいけません。人間が与えるエサは自然の中にあるものではないため、生態系を壊す原因になります。山に棲む動物たちの中に人間がお邪魔しているということを念頭に置きましょう。
マナー7
「ゴミを残さない、残して良いのは足跡だけ」「草木をとらない、とって良いのは写真だけ」という標語があります。草木をとらないのはもちろんですが、小石や土も持ち帰りは厳禁です。狭い日本でも山ごとに異なる植生があり、その山の自然を守ると同時に他の植生を持ち込まないことも大切です。自分の登山靴・トレッキングシューズの靴底の土をしっかり落としてから山に入りましょう。
マナー8
落石とは、山の斜面にある石や岩が落下することです。最初は小さな石であっても転がっているうちに他の石に当たり大きな石の落下を誘発します。登山道に落石を起こすことはとても危険です。石や岩が多い斜面を歩くときは落石を発生させないように十分注意しましょう。万が一、石を落としてしまい、眼下に登山者がいるときは「落石!」などと大きな声ですぐに知らせることも重要です。