Hyonosen
兵庫の尾根とも称される兵庫県最高峰の山
FEATURE
氷ノ山は兵庫県の最高峰で、中国地方でも鳥取県の大山(標高1,729m)に次ぐ高峰です。天照大神が伊勢詣での途中に旭日に映える樹氷を見て、「ヒエの山」と称されたことが由来であるといわれています。広大なブナ林をはじめとする豊かな自然が魅力で、天然記念物のイヌワシやヤマネなど貴重な動植物が生息しています。日本二百名山やふるさと兵庫50山のひとつにも数えられています。
ポイント1
氷ノ山の山頂は360度の展望を誇り、扇ノ山や日本海を望むことができます。天気が良ければ、中国地方最高峰の大山や、兵庫県の六甲山を望むことができます。空気の澄んだ季節には、北陸地方の白山や、四国地方の石鎚山が見えることもあります。
ポイント2
氷ノ山は鉢伏山と合わせて「氷ノ山後山那岐山国定公園」に指定されており、優れた自然環境に恵まれた周辺には西日本唯一の亜寒帯性湿生植物が残存し、稜線のブナ林や東尾根のドウダンツツジ、国の天然記念物のイヌワシが生息するなど自然環境を保持しています。
ポイント3
四季折々の景観が魅力な氷ノ山。春の高山植物から始まり、5月の新緑、秋の紅葉や山野草、冬には西日本では数少ない樹氷やスキー・スノーシューなど年間を通して楽しむことができます。また、若桜町のつく米集落には「日本の棚田100選」に選ばれた棚田があり、氷ノ山の斜面に築かれた美しい自然の階段は、代表的な日本の風景として登山者だけではなく写真家の方にも人気があります。
エリア | 中国・四国 |
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標高 | 1510m |
適期 | 4~11月 |
アクセス | ●電車の場合 若桜鉄道 若桜駅から若桜町営バスで約25分 ●車の場合 中国道 山崎ICより約1時間40分、または鳥取道河原ICより約40分 |
乗り物 | 若桜鉄道 |
RECOMMEND
鳥取県側から最短コースで山頂へ
氷ノ山ふれあいの里を起点に鳥取県側から登る最短ルートです。ふれあいの里のキャンプ場をスタートしまずは氷ノ越を目指して歩きます。このルートは鳥取県から兵庫県へ抜ける古道のひとつで、氷ノ越には避難小屋があり山頂を望むことができます。右に折れ、ブナの原生林を抜けていくと登りが急になります。岩塔のコシキ岩を巻いて登るとササ原の広がる山頂へ到着します。避難小屋の建つ山頂は360度の大展望が楽しめます。扇ノ山や日本海の展望を楽しんだあとは、来た道キャンプ場のある登山口まで下山します。
氷ノ越登山口…氷ノ越…仙谷分岐…氷ノ山…氷ノ越登山口
登山口のある山麓エリアは「わかさ氷ノ山自然ふれあいの里」と呼ばれ、自然探勝路をはじめ、わかさ氷ノ山スキー場、わかさ氷ノ山キャンプ場や氷ノ山自然ふれあい館「響の森」などの施設があります。ハイキングやキャンプ・スキーなど四季を通して楽しむことができます。
登山口のわかさキャンプ場から約1時間30分登った峠が氷ノ越です。登山道の一部に残る石畳や、氷ノ越の一角にある地蔵様がかつて因幡と但馬を結ぶ御伊勢参りの峠道だったことを感じさせてくれます。氷ノ山の山頂を望むことができ、避難小屋が建つ氷ノ越で呼吸を整え山頂を目指しましょう。
氷ノ山の山頂一帯はチシマザサの草原が広がっています。展望が良く見渡す限り360度の大パノラマを楽しむことができ、鉢伏山やハチ高原、三の丸、扇ノ山などの絶景を一望できます。避難小屋やバイオトイレが設置されているので、ゆっくりと景色を楽しみましょう。
歴史を感じる昔ながらの風景を訪ねる
若桜駅は、昭和5年開業当時の姿をとどめる木造駅舎や機関車を方向転換させるための手動式転車台など、SL時代の設備が残る鉄道ファンに人気の駅です。若桜駅を含む若桜鉄道にある23施設が国登録有形文化財に指定されており、兵庫県多可町から譲り受けたSLの運転体験や「若桜号」を含めた3両の観光列車が走る若桜鉄道が鉄道ファンや写真撮影好きの方に人気です。
約600年前に建立され天然の岩窟内にある舞台造りの不動院岩屋堂は、国の重要文化財に指定されており、鳥取県三朝町の三佛寺投入堂(三徳山)、大分県の龍岩寺奥院礼堂とともに日本三大投入堂の一つに数えられています。羽柴秀吉が鳥取城攻めの際にこの付近を焼き払い、この岩屋堂だけが焼け残ったとされています。本尊の不動明王は、弘法大師「空海」が33歳のときに彫刻したとされ、日本三大不動明王に数えられています。
若桜鬼ヶ城は正治2年に駿河国矢部十郎暉種によって開城され、その後一国一城令により廃城となりましたが、現在も当時の石垣が残り典型的な山城の形態をとどめていることなどから、国指定史跡に登録されています。鬼ヶ城へは登山コースが整備されており、春は桜・秋は紅葉の名所として知られています。また、但馬・播磨各方面の街並みや若桜の中心街が一望できる絶景スポットとしても人気があります。