Akitakomagatake
大展望と高山植物の宝庫の山、下山後は山麓の名湯で癒される
FEATURE
秋田駒ヶ岳は、最高峰の男女岳(おなめだけ)や主峰の男岳(おだけ)等の複数のピークで形成されている活火山で、十和田八幡平国立公園の南端に位置しています。全国に数多い駒ヶ岳の中では最も高山植物が豊富な山で、高山植物帯は国の天然記念物に指定され、日本二百名山や花の百名山に選ばれてる北東北の名峰です。
ポイント1
秋田駒ヶ岳は高山植物特別保護地区に指定される高山植物の宝庫で、日本アルプスの3,000m級の山に咲く高山植物を1,600m程度の場所で観賞することができます。花の種類が数百にも及ぶことから「秋田駒ヶ岳高山植物帯」として国の天然記念物に指定されるほどです。初夏から夏にかけて様々な高山植物が咲く様は正に百花繚乱と言えます。
ポイント2
秋田駒ヶ岳はコニーデ型(円すい型の姿)の二重式火山で、変化に富んだ山頂部は主峰の男岳や最高峰の男女岳などがひしめき合い複雑な地形を形成しています。旧火口が数多くあり、火口原の池や夏でも残る雪などが独特の景観をつくっています。雄大な眺めを楽しみながら登山・トレッキングを楽しめます。
ポイント3
秋田駒ヶ岳の山麓には田沢湖高原、乳頭温泉郷、水沢温泉郷、国見温泉など東北屈指の名湯が揃っています。中でも乳頭温泉郷の人気はとても高く、季節を問わず多くの観光客が訪れます。登山・トレッキングの下山後は、山麓の名湯に浸かり疲れを癒しましょう。
エリア | 北海道・東北 |
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標高 | 1,637m(男女岳) |
適期 | 6~10月 |
アクセス | ■電車 JR田沢湖駅より羽後交通バス「駒ヶ岳線」駒ヶ岳八合目登山口まで60分 ●車 盛岡ICより駒ケ岳八合目登山口まで約1時間 ※マイカー規制実施日は、アルパこまくさ駐車場より羽後交通バス「駒ヶ岳線」八合目登山口まで25分。 |
備考 | 6月1日から10月31日間の土、日、祝日はマイカー規制を実施 |
RECOMMEND
「初級者向け・山頂周遊コースで高山植物を観賞しながらのんびり歩く」
秋田駒ヶ岳の登山・トレッキングで最も人気なコースは、八合目を基点に男女岳や男岳の山頂を捉えながら周回するコースです。 登山口の標高は約1,300mで高低差も少なくコースは全般的に平坦で、さらに森林限界の標高が低いため高木がなく視界が終始開けているのが特徴です。幅の広い登山道が続くので迷う心配はないですが、初夏にはまだ残雪があるので注意して歩きましょう。八合目から森林限界を越えるので、スタートからゴールまでずっと展望の良い登山・トレッキングがを楽しめます。田沢湖などが眼下に見え、緩やかに登山道が続きます。高山植物豊かな階段の道を登っていくと、男女岳頂上に到着します。阿弥陀池小屋に戻ったら、横岳、焼森と巡り、八合目に戻ります。
[往路]八合目登山口…片倉岳展望台…阿弥陀池分岐…男岳…阿弥陀池分岐…男女岳
[復路]男女岳…横岳…焼森…八合目登山口
… 徒歩
秋田駒ヶ岳八合目までは車道があり車で入山することができます。花や紅葉シーズンの週末は登山者でたいへん混雑するので、環境保護のためにマイカー規制が実施されます。規制中は「アルパこまくさ」の駐車場に停め、定時のシャトルバスで八合目までアクセスできます。「アルパこまくさ」は複合施設で、秋田駒ヶ岳の様々な情報を入手することができます。下山時には併設された自然ふれあい温泉館で入浴も楽しめます。回遊コースとなるため、スタートとゴールは同じ八合目登山口です。
八合目からは新道コースを歩きます。展望に優れて急登もないので最も一般的なコースです。登山道には多くの高山植物が咲き、雄大な景色を背景に色鮮やかな高山植物の観賞を楽しめます。鮮やかな紫のハクサンチドリやニッコウキスゲの群生、可憐な花を付けるコマクサなど、次から次へと様々な種類に出会えます。片倉岳展望台を過ぎると田沢湖が眼下に見えます。やがて平坦になると阿弥陀池の西側の湖畔に到着します。ここから男岳を往復します。
八合目から新道コースを1時間ほど歩くと阿弥陀池に到着します。阿弥陀池に近づくと登山道は木道へと変わります。西側からは主峰の男岳に登る登山道、東側の湖畔には避難小屋があり、そこから最高峰の男女岳に登ることができます。避難小屋は複数の登山道の中継場所となり、復路で歩く横岳方面もここから歩きます。この辺りは高山植物の原生地域なので木道の外側には立ち入らないようにしましょう。
秋田駒ヶ岳の主峰・男岳には駒ヶ岳神社が鎮座します。眼下には溶岩流跡や女岳(めだけ)、小岳の展望を楽しめます。阿弥陀池に戻ったら、次は最高峰の男女岳に登ります。男女岳の山頂からは先ほど登った男岳や女岳、西に広がる田沢湖など360度の贅沢な景色が広がります。天気が良ければ遠くに鳥海山が見えることもある絶景ポイントです。下山は焼森コースを歩きます。 このルートは秋田県と岩手県の境になっており、1時間程度で八合目に到着します。シャクナゲが多いのでシャクナゲコースとも言われています。
高山植物と紅葉の観賞、人気の温泉地、秋田駒ヶ岳は魅力がいっぱい
秋田駒ヶ岳は高山植物の宝庫です。焼森付近に咲くコマクサは7月初旬が見頃で、焼森から八合目に続く道に咲くシャクナゲや、阿弥陀池周辺のニッコウキスゲは7月中旬~下旬が見頃です。阿弥陀池の北東にある浄土平は花畑となり、残雪の後にはチングルマなどが咲きます。その他、タカネスミレ、ハクサンチドリ、エゾツツジ、ヒナザクラ、イワカガミ、ミヤマダイコンソウ、ミヤマキンバイなど、秋田駒ヶ岳の高山植物の種類は数百にも及びます。中部山岳地域より手軽に高山植物の観賞が楽しめる山として人気を誇ります。
高山植物の豊富さであまりにも有名な秋田駒ヶ岳ですが、秋の紅葉シーズンには赤や黄色に染まる山々の美しい姿を楽しめます。秋田駒ヶ岳は知る人ぞ知る紅葉の名所です。紅葉の最盛期には、登山・トレッキングや写真撮影を楽しむ人で賑わいます。チングルマなどが赤い絨毯のように輝く草紅葉は9月中旬頃から10月初旬頃まで見頃が続きます。男岳や男女岳頂上から眼下に望む阿弥陀池や遠く田沢湖が、紅葉した山々との対比で見事な景観をつくります。
秋田駒ヶ岳の登山・トレッキングを楽しんだ後は山麓の温泉地を満喫しましょう。おすすめは、大人気の温泉地・乳頭温泉郷です。下山後は田沢湖高原からバスや車で15~20分程度で行くことができます。十和田・八幡平国立公園の乳頭山麓に点在する七湯が乳頭温泉郷と呼ばれています。乳頭温泉郷の七湯は独自に源泉を持ち、泉質は多種多様です。山麓ではブナの原生林で森林浴をし、湧き出たばかりの温泉に浸かり癒しの時間を楽しみましょう。乳頭温泉郷の組合加入7軒(鶴の湯・妙乃湯・蟹場・大釜・孫六・黒湯・休暇村)では七湯めぐりの「湯めぐり帖」で全ての温泉に入浴が可能です。七湯めぐりの温泉浴は万病に効くと言われています。