琵琶湖西岸に南北に連なる比良山地の最高峰
FEATURE
武奈ヶ岳は滋賀県の西部、比良山地の最高峰で日本二百名山に数えられています。名前の通り、登山道にはブナの樹林帯が広がり、初夏には新緑、秋には美しい黄葉が広がります。開けた山頂からは日本一の面積を誇る琵琶湖が眼下に広がり、晴れた日には対岸に鈴鹿山脈と日本百名山の伊吹山の姿が眺められ、遠くに御嶽山や白山の峰々が見えることもあります。
ポイント1
武奈ヶ岳が多くの登山者から人気の理由のひとつに山頂の素晴らしいロケーションがあげられます。眼下に琵琶湖の景色が広がり、伊吹山や鈴鹿山脈、遠くには白山、御嶽山、乗鞍岳やアルプスの山々も望めます。360度どこを見渡しても楽しめる大パノラマが魅力です。
ポイント2
比良山系は関西の水瓶である琵琶湖の水源です。中でも、武奈ヶ岳の南東面にある「八雲ヶ原」は関西地方では珍しい高層湿原で主要な水源地になっています。また、木道が敷かれている「ヤクモ池」では、池塘を覗き込むと生息するイモリを観察することができます。
ポイント3
山名の由来になったといわれるようにブナの木が多い武奈ヶ岳は、10月~11月頃になると草木が一斉に色づき、紅葉が一面に広がります。武奈ヶ岳だけでなく比良山系一帯が赤や黄色に染まるため、紅葉のを眺めながら稜線歩きを楽しむことができます。
エリア | 北陸・近畿 |
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標高 | 1,214m |
適期 | 4~11月 |
アクセス | ●電車の場合 JR堅田駅からバス「坊村」下車徒歩3分 ●車の場合 名神高速道路 京都東IC = 国道367号 = 国道161号 = 国道477号 = 坊村 ※葛川市民センター駐車場 約30台駐車可能(無料) |
備考 | 参考:比良比叡トレイル |
RECOMMEND
「美しいブナの樹林帯を歩くコース」 坊村登山口は、明王院を過ぎて赤い橋を渡った奥にあります。登山道を進んでいくとすぐに急な登りが始まります。樹林帯の中をしばらく歩くとゆるやかな登山道へと変わります。視界が開けてきて御殿山に到着したら、ワサビ峠まではもうすぐです。ワサビ峠から稜線までは茂った登山道をしばらく進み、稜線に出ると一気に見晴らしがよくなり、山頂のあたりがよく見えます。稜線からは場所によっては琵琶湖が見えます。山頂からは眼下に悠然と広がる琵琶湖の景色が素晴らしく、遠くに北アルプスや御嶽山などの山々も見られます。360度広がる大パノラマを楽しんだら、同じ道を戻り坊村まで下山します。
坊村登山口…明王院…御殿山…ワサビ峠…武奈ヶ岳…ワサビ峠…御殿山…明王院…坊村登山口
比叡山延暦寺の僧相応和尚が、平安初期に回峰行道場として開いた寺院です。本堂、護摩堂などが老杉に覆われた境内に建ち並んでおり、重要文化財に指定されています。室町時代には9代将軍・足利義尚や、その母の日野富子が参籠に訪れたといわれています。政所表門は境内で最も古い建物で、17世紀初期に建立されたと考えられています。付近には、相応が不動明王を感得した「三の滝」があり、7月18日には、「太鼓まわし」という回峰行者の行事の舞台となっています。
御殿山は滋賀県大津市に位置する標高1097mの山で、武奈ヶ岳の南西に位置しており様々な登山ルートの中でも「西南稜コース」と呼ばれる、西麓の坊村バス停から武奈ヶ岳に登頂するルートの途中、登山口から約2時間ほどのところにあります。山頂からの眺望はよく、武奈ヶ岳を間近に望むことができます。
雪山登山やパワースポットなど一年を通して楽しめる
日本海側気候の影響を受けるため積雪が多く、関西地方では指折りの雪山登山ができる山として知られています。冬季は「比良颪」なる季節風が山から東麓へ吹き下ろされ、特に春先に吹く風は「比良八荒」と呼ばれています。かつてはスキー場が設置されており、山腹の「北比良峠」までリフトとロープウェイが運行されていましたが、2004年に廃止されました。
武奈ヶ岳北東に位置する八ツ淵の滝は、日本の滝100選にも選ばれた名瀑。8つの淵が集まっていることが名前の由来とされ、各滝によって岩の形状や水深が違います。八ツ淵の滝周辺は、ヤマツツジやイワカガミなどの植物群が広がる豊かな自然景観。滝と植物を一緒に楽しめます。 写真:(公社)びわこビジターズビューロー
近江最古の神社として有名な白髭神社。1603年建立の歴史と伝統から、国の重要文化財にも指定されています。近年は、琵琶湖の湖上にたたずむ優雅な鳥居が浮かぶ珍しい風景が写真映えすることに加えて、パワースポットとしても非常に人気の場所となっています。