Hakusan
日本屈指の霊峰で花の名山
FEATURE
白山は日本百名山に選ばれていますが、富士山、立山と共に日本三名山(日本三霊山)でもあります。そして、霊峰として古より信仰の対象になっています。また、白山は花の山で知られ、7月~8月は高山植物観賞の適期となり、多くの登山者が訪れます。秋には美しい紅葉、冬にはその名の通り真っ白の雪をまとい、見るものの心を癒してくれます。
ポイント1
「しらやまさん」で親しまれる白山神社は全国に3,000社以上あるといわれています。その総本宮が石川県白山市の白山比咩神社で、白山の最高峰・御前峰(ごぜんがみね)にはその奥宮が鎮座します。
ポイント2
白山は花の百名山にも選ばれている高山植物の楽園です。「白山」の名を冠した高山植物はハクサンイチゲ、ハクサンフウロ、ハクサンコザクラ、ハクサンシャクナゲなど、20種類ほどになります。ハクサンの名は付きませんが、高山植物の中でも特に人気が高いクロユリは白山の代表的な花で、室堂などには日本有数の群落があります。
ポイント3
白山には様々な登山ルートがあります。初心者向けから上級者まで多彩な登山ルートは白山の魅力でもあります。その中に、約1,300年前に白山を開山した泰澄にちなんだ登拝の道があります。その道は禅定道(ぜんじょうどう)と呼ばれ、その起点となるのが白山神社で「馬場(ばんば)」と呼ばれています。加賀(石川県)、越前(福島県)、美濃(岐阜県)にある三馬場では往時の賑わいを偲ぶことができます。
エリア | 北陸・近畿 |
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標高 | 2,702m(御前峰) |
適期 | 7月~10月 |
アクセス | ■バス・タクシー 金沢駅より路線バス又はタクシーにて市ノ瀬へ、市ノ瀬よりタクシー又はシャトルバスにて別当出合へ ●車 北陸自動車道・白山ICより別当出合まで約1時間 ※白山では登山ピーク時の交通混雑の緩和、安全確保及び自然保護のため、週末、休日を中心に次のとおり市ノ瀬から別当出合間(約6km)の交通規制を行います。規制期間中は市ノ瀬よりシャトルバスを利用ください。 |
RECOMMEND
歩きやすい砂防新道から登り、高山植物が多い観光新道で下るルート
白山には様々な登山ルートがありますが、初級者向けの砂防新道から登り、室堂で宿泊、最高峰の御前峰登頂後に観光新道から下るコースをご紹介します。登りのルートはトイレや水場もあるので歩きやすく、下りは高山植物観賞に適した箇所が多く、変化に富んで見どころの多いコースです。ただし、登りの高低差は1,400m以上で、下りでは急勾配の階段が続きますので体力・脚力が必要です。
[1日目]別当出合…中飯場…甚之助避難小屋…黒ボコ岩…室堂
[2日目]室堂…御前峰…室堂…黒ボコ岩…殿ヶ池避難小屋…別当出合
… 徒歩
別当出合は白山登山の始点となる場所のひとつで、ここから歩く登山者が大多数です。別当出合には大きな駐車場があり、マイカー規制期間外であれば、ここまで車で行くことができます。登山届を提出して歩き出すと吊り橋を渡り、しばらく行くと中飯場に着きます。ここにはトイレと水場がありますので休憩をするのに適しています。お昼時ならお弁当を食べでいきましょう。
中飯場からさらに登ると甚之助避難小屋です。避難小屋なので、無人ですが、トイレがあり水場もあります。雨をしのぐこともできますので雨天時は助かります。ここから急こう配が続きます。室堂まで安全に歩きましょう。
黒ボコ岩を過ぎると視界が徐々に広がってきて、やがて室堂に到着します。大規模の山小屋や白山比咩神社祈祷殿があります。すぐ目の前には御前峰がそびえており、遠い道のりを歩いてきた感慨深い気持ちになることでしょう。御前峰でご来光を見る場合は山小屋で早めに休みましょう。
御前峰は白山の最高峰であり標高は2,702mです。山頂には石柱が立ち、近くには白山比咩神社の奥宮が鎮座します。展望は素晴らしく、北アルプスの名峰の数々を眺めることができます。南側には白山三山の一つである別山、北には大汝峰を望みます。
日本三名山(三霊山)の白山の魅力は景観、花、歴史など、数え切れません。できれば山小屋に宿泊してゆっくり歩きましょう。
白山の最高峰・御前峰はご来光を眺めるために登山者が暗い時間から列をなして歩く姿が見られます。山頂からは北アルプスや御嶽山などの名峰を遠望でき、雲海から姿を現す太陽の光は神々しい光を放ちます。ご来光を見る場合は室堂の山小屋に泊まり、ヘッドランプや防寒着を準備しましょう。
白山は健脚者であれば日帰りで歩くこともできますが、できれば山小屋やテントに泊まってゆっくり歩くことをおすすめします。山小屋は山頂に近い室堂と南側の南竜ヶ馬場に大きな施設があります。室堂の施設は北アルプスの白馬の山小屋に次ぐ規模で700名以上を収容できるといわれています。南竜ヶ馬場の南竜山荘は規模的には劣りますが登山口からより近く静かな環境でのんびり過ごせます。また、南竜ヶ馬場には登山エリアでは唯一の野営場がありテント泊を楽しめます。宿泊先にはそれぞれの利点がありますので、自分のレベルや経験に合った白山の過ごし方を計画しましょう。
白山のお膝元である白山市白峰地区は重要伝統的建造物群保存地区に指定されている趣ある街並みが魅力です。その中心部にある「白峰温泉総湯」は天然温泉100%の源泉で肌が絹のようにスベスベになることから「美肌の湯」と呼ばれています。山里の静かな環境で登山・トレッキングで疲れた体を癒しましょう。