Tsubakurodake
雄大な景観が魅力の北アルプス入門の山
FEATURE
燕岳は飛騨山脈(北アルプス)にある日本二百名山及び新日本百名山に選定されている人気の山です。北アルプス三大急登の一つである合戦尾根を登り切った稜線上にあり、大きな山小屋が近くにあります。花崗岩でできた独自の姿は美しく、周辺は抜群の眺望があり、急登となりますが歩行時間は決して長くなく、特に危険個所もなく、近くに大規模な山小屋が建っていることなどが人気の理由でしょう。北アルプスの入門コースといわれる所以です。7月~8月には高山植物の女王と言われるコマクサの群生が見られます。また、国の特別天然記念物のライチョウが生息地でもあります。
ポイント1
燕岳登山のメインルートとなる合戦尾根は、烏帽子岳のブナ立尾根、剱岳の早月尾根と共に北アルプス三大急登に数えられています。中房温泉登山口から合戦小屋までは特に急な登りが続きます。北アルプス入門コースとはいえ、登山口から山頂までの高低差は1,300mを超え、それなりの体力と脚力が必要となります。しかし、登り切って山頂に立てば、登りの辛さを忘れるほどの達成感を味わうことができるでしょう。
ポイント2
表銀座縦走コースとは、中房温泉登山口を起点して、槍ヶ岳へ向かう登山者憧れの人気ルートです。燕岳からは南西側に槍ヶ岳から続く山々の美しい稜線、南東側には遠くに富士山、そして八ケ岳や南アルプなどで一望できます。さらに花崗岩でできた自然のアート群であるイルカ岩、ゴリラ岩などの奇岩も一見の価値があります。稜線上に建つ山小屋からは夕日と朝日の両方が眺められ、夜は安曇野平の夜景と満天の星空観賞もできます。
ポイント3
北アルプス三大急登に数えられる合戦尾根ルートですが、登山道はよく整備されており、休憩できるベンチが適度な間隔で設置されています。休憩地は登山のペース配分に役立ちますので、分かりやすく広い休憩地は初級者にとってもありがたい場所です。急な登りを越えると合戦小屋があり、食事やトイレで利用することもできます。燕岳の山頂へと続く稜線上には燕山荘という大きな山小屋があります。広くて清潔で快適に過ごすことができる山小屋として登山者にはとても人気があります。燕岳は、はじめての北アルプス、はじめての山小屋泊におすすめの山です。
エリア | 信州・北アルプス |
---|---|
標高 | 2,763m |
適期 | 7月下旬〜10月上旬 |
アクセス | ■電車・バス・タクシー JR大糸線穂高駅より定期バス乗車(4月下旬〜11月上旬運行)で「中房温泉」バス停下車まで約55分 JR大糸線穂高駅よりタクシーで中房温泉まで約40分 ●車 長野自動車道・安曇野ICより県道306号と県道327号経由で登山口に近い安曇野市営駐車場へ約50分 |
RECOMMEND
中房温泉から北アルプス三大急登の合戦尾根を登る
燕岳の登山口は中房温泉となります。ここから燕岳を経由して北アルプスの山々を縦走するルートがありますが、燕岳山頂を目的とするなら1泊2日の往復コースをおすすめします。高低差1,300m超を登り下りできる体力と脚力を必要としますので、時間には余裕をもって計画しましょう。お泊りは人気の山小屋・燕山荘です。早めに山小屋に到着して、景色を眺めながらお茶を飲んでゆっくり過ごし、夕景を楽しんでから夕食、夜は星空と夜景観賞、朝は早起きしてご来光を拝み、朝食後に燕岳の山頂を目指して歩きます。山小屋に戻ったら少し休憩して下山となります。下山後は温泉入浴や地元のグルメを楽しむのもよいでしょう。
1日目:中房温泉登山口…第1ベンチ…第2ベンチ…第3ベンチ…富士見ベンチ…合戦小屋…燕山荘
2日目:燕山荘…合戦小屋…富士見ベンチ…第3ベンチ…第2ベンチ…第1ベンチ…中房温泉登山口
… 徒歩
中房温泉は長野県安曇野市の山中にある一軒宿で登録してある源泉数29本、源泉かけ流しのお風呂は14あります。江戸時代から続く温泉宿であり歴史ある木造の建物は趣を感じます。湯治宿として、登山者の宿として、今なお愛され続けている秘湯です。燕岳の登山口はそのすぐ脇にあります。登山相談所と公衆トイレがありますので、しっかり準備をしてスタートしましょう。
北アルプス三大急登のひとつ合戦尾根ですが、第1ベンチから富士見ベンチまで4箇所の休憩適地があります。休憩地では給水、給食をしながらゆっくり登っていきましょう。急登を登りきると合戦小屋があります。宿泊はできませんが、売店や食事の提供、トイレもあります。夏の時期はスイカが名物です。水分補給を兼ねて食べてみてはいかがでしょう。合戦小屋から上は、徐々に展望もよくなってきます。ただし、風が強くなることもありますので、防風対策をしてください。季節によっては寒くなりますので防寒着の準備もしっかり行いましょう。
燕山荘(えんざんそう)は合戦尾根を登り切った燕岳の頂上稜線上ににある山小屋です。北アルプスの山小屋の中で有数の規模と歴史があり多くの登山者に愛されています。燕山荘内の喫茶室「サンルーム」ではコーヒー、生ビール、ケーキセットなどをいただくことができます。また、売店ではコマクサやライチョウ、燕岳などをモチーフにしたオリジナルデザインのTシャツやバンダナ、バッジなどのたくさんの燕岳グッズが販売されいます。さらに夏山シーズン中は夏山診療所が開設されますので安心です。燕山荘の前からは、すぐ北側に白い花崗岩の奇石と緑色のハイマツのコントラストが美しい燕岳を望むことができます。燕山荘から燕岳までは往復で1時間ほどの行程です。時間に余裕があり、天気が良ければ登山初日に山頂に登ってみてもよいでしょう。
燕岳はその美しい山容から「北アルプスの女王」と称されます。比較的登りやすいコースタイムと整備された登山道、快適に過ごすことができる山小屋などにより「北アルプスの入門コース」とも呼ばれています。初級者から何度も訪れるリピーターまで、シーズン中には多くの登山者が訪れます。山頂と稜線上からの景観も抜群で、南側からは槍ヶ岳などの北アルプスの山々、眼下には安曇野の絶景を一望できます。また、7月下旬から8月初旬にかけて燕岳へ続く稜線の斜面には高山植物の女王・コマクサが群生していて登山者の目を楽しませてくれます。さらに、国の特別天然記念物のライチョウが生息しており、運がよければ可愛らしい姿を見ることができるかもしれません。また、燕岳の周辺では花崗岩の風化による自然のアートともいえる様々な奇岩を見ることもできます。イルカ岩、ゴリラ岩、メガネ岩、ライオン岩などと呼ばれる岩々は探すだけでも楽しさを感じます。
北アルプスの山では比較的歩きやすく、眺望も抜群の燕岳の楽しみ方をご紹介します。
燕岳登山のベースとなる山小屋「燕山荘」付近からは美しい燕岳が間近に見られ、北アルプスの山々や遠く富士山や八ヶ岳、南アルプスなどを一望できます。まるで展望台のようで、時間を忘れさせてくれるほどです。山小屋に泊まることにより、夕景や夜の星空、麓の夜景、そしてご来光を見ることができます。さらに、朝日に照らされて山々が赤く染まる「モルゲンロート」、霧の中の影の周りに虹色の輪が見える「ブロッケン現象」、大量の雲が谷間から稜線を越えて流れ落ちる「滝雲」など、条件がそろえば様々な絶景を観賞することができます。
山小屋の人気ランキングでいつも上位となる燕山荘は、燕岳登山のベースをなるだけでなく、山小屋に滞在することだけでも楽しさを感じさせてくれます。広くて清潔で快適に過ごすことができますので、はじめての山小屋泊にもおすすめです。食堂のランチメニュー、喫茶店のコーヒーやスイーツなど、山小屋と思えないほど豊富で充実しています。夕食後の山小屋オーナーによるアルペンホルンの演奏と山のお話しは、燕山荘名物となっています。仲間とおしゃべりをしたり、ひとりでのんびり過ごしてみたり、山小屋ライフを満喫できるのも燕岳登山の楽しみのひとつです。近くにはテント場があります。規模は大きくありませんが、絶景を眺めることができるテント場として人気があります。
燕岳登山口には江戸時代から続く山中の秘湯「中房温泉」があります。登山の拠点として泊まる人も多いですが、湯治宿としても賑わっています。日帰り専用野天風呂もありますので、下山後に汗を流し疲れを癒すこともできます。源泉かけ流しの温泉は肌触りもよく、疲労回復にも効果があるといわれています。また、登山口から少し歩くと、燕山荘グループの温泉宿「有明荘」があります。こちらも登山の拠点として利用できますが、日帰り入浴も可能です。大きな露天風呂と内湯にゆっくり浸かって食事もできますので、下山後にのんびり過ごしてみてはいかがでしょうか。