Asosan
雄大で迫力ある景観、火の国・熊本のシンボル
FEATURE
火の国・熊本を代表する山ですが、阿蘇山という名の山はなく、最高峰の高岳、中岳、根子岳、杵島岳、烏帽子岳の阿蘇五岳を中心とする中央部の諸峰と外輪山などを総称して阿蘇山と呼びます。活火山であり、登山・トレッキングをする場合は噴火警戒レベルに注意を払う必要があります。
ポイント1
阿蘇五岳の中でも、杵島岳や烏帽子岳は距離、所要時間が長くなく、高低差も大きくありません。登山道もよく整備されており危険個所も少ないことから初級者やはじめての登山・トレッキングにもおすすめのルートです。阿蘇山随一の観光地である草千里ヶ浜を起点にして広大な景観を楽しみながら快適な登山・トレッキングができます。草千里ヶ浜には大きな売店やレストランがあり、飲食や買物も楽しめます。また、草千里ヶ浜では乗馬体験のアクティビティもあります。登山・トレッキングだけでなく一日のんびり過ごしてみではいかがでしょうか。
ポイント2
阿蘇山は国内最大級のカルデラと活火山という大きな特徴を持つ山で、その景観は国内の他の山とは一線を画します。また、阿蘇山の独特な草原の風景は人の手によるもので、1,000年以上続いているといわれる「野焼き」によって環境が守られています。その広大な草原に放牧されている「あか牛」は自然の草を食べて育つことにより、うま味とやわらかさとヘルシーさを兼ね備えており、熊本県の有名ブランドでもあります。このように阿蘇山の草原は文化的な景観ともいえ、古来より人々が草を利用した農業や畜産を営むために自然に手を加えながら維持されているもので、阿蘇山固有の景観を形づくっています。
ポイント3
ミヤマキリシマは九州の山を代表するツツジ科の花で、山肌をピンクに染める景観を求めて多くの登山者が訪れます。阿蘇山では、場所によって見頃の時期が異なり、阿蘇山の最高峰である高岳に咲くミヤマキリシマは5月上旬から5月中旬が見頃となります。活火山の荒々しいイメージが強い阿蘇山ですが、南国の情緒あふれるミヤマキリシマが咲く山としての一面もあります。
エリア | 九州・沖縄 |
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標高 | 1,592m(高岳) |
アクセス | ■電車・バス・タクシー JR豊肥本線・阿蘇駅より路線バスで阿蘇山上ターミナルまで約35分 ●車 熊本ICより草千里駐車場へ約1時間20分 |
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阿蘇山上から皿山迂回ルートと経て阿蘇五岳の高岳と中岳へ
阿蘇五岳のうち根子岳は東端に離れており、登山道を歩いて五岳全てを縦走することはできません。中央部にそびえる山々は火口から近く、阿蘇山らしい雄大な景観を望むことができますので、最高峰の高岳を目指すコースをご紹介します。噴火警戒レベル1であれば阿蘇山上駐車場を起点に、高岳、中岳、南岳の3峰を歩くことができます。
阿蘇山上駐車場…皿山迂回ルート…南岳…中岳…火口東展望所…中岳…高岳…中岳…皿山迂回ルート…阿蘇山上駐車場
… 徒歩
阿蘇山上は阿蘇山の火口がある中岳の麓にあり、火鎮めの神事を行う神社やお寺、売店やレストランがあります。マイカーでも路線バスでもアクセスすることができるので、中岳、高岳方面の登山・トレッキングの起点となっています。以前は阿蘇山上からロープウェイで火口まで行くことができましたが、現在は運休中で代わりにシャトルバスが運行しています。複合施設である阿蘇山上ターミナルにはインフォメーション、シャトルバス乗り場、お土産店などがあります。なお、阿蘇山上は噴火警戒レベルによって立ち入りができなくなりますので、事前に情報を収集してから出かけましょう。
中岳は阿蘇五岳のひとつで、阿蘇山の中央部を代表する山です。活火山である阿蘇山では最も活発な火山活動をしているエリアです。中岳には7つの火口があります。北端にある第一火口は活火山の活動を間近で体感できる世界的にも珍しいスポットで、「湯だまり」と呼ばれる火口湖が形成されています。火山活動が平穏な時期にはエメラルドグリーンの美しい火口湖を眼下に見ることができます。湖水の温度は50~70度といわれ、PH1以下の強酸性で生物や植物は存在しません。その光景はまるで月面のような異空間となります。
中岳の火口を見学する場所のうち、東側に位置する火口東展望所は登山ルート上にあり、西側の展望所に比べて観光客が少ない静かな環境です。火口まで距離が離れているため、迫力には少し欠けますが、標高が高いので阿蘇山の全体を見渡すことができる眺めがよい場所です。
高岳は標高1,592mで、阿蘇山の最高峰となります。「1592」を「肥後国(ひごくに)」と語呂合わせで覚えることができます。一般的には高岳が日本百名山となり、阿蘇山では高岳と中岳を巡るルートが人気です。高岳の山頂からは西に中岳、烏帽子岳、東には根子岳、さらに南には百名山の祖母山、北にくじゅう連山と、360度の大パノラマが楽しめます。
広大な阿蘇カルデラは花や温泉、鉄道など楽しみ方が盛りだくさん
ミヤマキリシマはツツジの一種で九州各地の高山に自生し、阿蘇山では高岳直下の仙酔峡や大鍋火口に群落があります。阿蘇山では例年5月上旬から中旬が見頃で、山肌をピンク色に染める景観に魅かれて多くの登山者が集まります。明治時代の終わり頃に霧島へ新婚旅行に訪れた植物学者・牧野富太郎により発見され、「深い山に咲くツツジ」という意味で「深山霧島(ミヤマキリシマ)」と名付けられたといわれています。また阿蘇はススキの名所でもあります。世界有数のカルデラを持つ阿蘇には広大な草原が広がっており、秋になると大草原が一面のススキ野原となり、絶景を楽しむことができます。
カルデラとは火山活動でできた陥没地のことで、阿蘇カルデラは南北25km、東西18kmの大きさで、世界有数の規模です。そのカルデラが生む大地の恵みのひとつが温泉です。阿蘇地域には様々な温泉が湧き、登山者やハイカーの憩いの場となっています。南阿蘇・高森の月廻り温泉館は、阿蘇山を望む美しい風景が広がる中に芝生広場やレストラン、宿泊施設を兼ね備えた温泉施設です。露天風呂からは阿蘇五岳のひとつである根子岳などを望むことができます。 ©熊本県観光連盟
広大な阿蘇カルデラには、北側を行くJR豊肥線と南側を行く南阿蘇鉄道の2つの鉄道が走っています。南阿蘇鉄道のトロッコ列車は高森駅~中松駅までの7.1kmを往復1時間ほどで走る観光列車で、開放感あふれる車内からは、雄大な南阿蘇の風景を眺めることができます。3月~11月の土日・祝日、春・大型連休・夏休み期間のみ運行しています。阿蘇山を訪れたら、登山・トレッキングと共にぜひ体験したいアクティビティです。 ©熊本県観光連盟
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