Kitadake
日本で2番目の標高を誇る南アルプスの主峰
FEATURE
北岳は標高3,193m、富士山に次いで日本で2番目に高い山です。その山体は間ノ岳、農鳥岳と合わせて白根(白峰)三山とも呼ばれています。登山口の広河原からは1泊2日でも登頂はできますが、途中の白根御池小屋に泊まり、ゆっくりと高山植物や周囲に聳える山々を楽しむことができる魅力あふれる山です。
ポイント1
日本で一番高い山は?と聞かれたらほとんどの人が「富士山」と答えてくれますが、では2番目に高い山は?と聞かれたら山好きでない限り、ほとんどの人が答えられません。そんなことで「残念な山」などと言われますが、全く違います。中央道や中央本線からよく見える北岳は南アルプスではナンバー1の高さを誇り、山頂からは富士山を遮るものなく見ることができます。北岳は富士山を日本で一番高い場所から見ることができる山なのです。
ポイント2
北岳の名前がついている高山植物「キタダケソウ」は梅雨時の6月下旬から7月上旬に北岳に山頂付近にのみ生息する貴重な植物です。白い花弁が6-8枚ありハクサンイチゲによく似ています。氷河期からの生き残りの絶滅危惧植物で、植生は保護されてロープなどで囲われていますので、絶対に踏み込んだりしないでください。
ポイント3
日本で二番目に高い山「北岳」の山頂からは日本で三番目に高い山「間の岳(あいのたけ)」へ続く縦走路が伸びています。標準コースタイムでおよそ往復5時間20分の道は周囲に遮るものがない「天空の縦走路」とも呼ばれています。西側に中央アルプスとその奥に御嶽山、東側には富士山、行く手には間の岳とその奥に農鳥岳、南アルプス最深部の山々が見えてきます。
エリア | 八ヶ岳・中央アルプス・南アルプス |
---|---|
標高 | 3,193m |
適期 | 7月~10月 |
アクセス | ■電車・バス・タクシー JR甲府駅より山梨交通にて広河原へ(所要約1時間50分 ■車 中央自動車道双葉JCT経由中部横断道白根ICから県道107号、県道20号を通り芦安駐車場まで約20分 北岳登山口の広河原へ通じる県営林道南アルプス線・県道南アルプス公園線はマイカー規制が行われています。自家用車は芦安などでバスやタクシーに乗り換えて広河原へ向かいます。 |
RECOMMEND
広河原から登る北岳の王道ルート
登山口の広河原にはインフォメーションセンターがあります。お手洗いを済ませ、登山届の提出も忘れずに。広河原から樹林帯をひたすら登ります。2時間30分程度で白根御池小屋に到着します。その名の通り小さな池のほとりに建つ山小屋です。ここからルートは2つ、所要時間は短いが、樹林帯ひたすら登る「草すべり」ルートと所要時間は長くなりますが沢沿いと岩壁登攀で有名な北岳のバットレスを眺めながら登る「右俣ルート」に分かれます。どちらも小太郎尾根に出る直前に合流します。小太郎尾根に出ると目の前に仙丈ケ岳、甲斐駒ヶ岳の山容が飛び込んできます。しばらく両サイドに広がる山々を眺め、短い鎖場を超えてひと登りすると北岳肩の小屋に到着します。小屋の裏手から北岳山頂まで約50分、山頂からは360度の大展望を望むことができます。
[1日目] 広河原…白根御池小屋(泊)
[2日目] 白根御池小屋…小太郎尾根分岐…北岳肩の小屋…北岳山頂…北岳肩の小屋(泊)
[3日目] 北岳肩の小屋…小太郎尾根分岐…白根御池小屋…広河原
… 徒歩
広河原から樹林帯を登っていくと標高2,200mの場所に建つ山小屋です。北岳登山ルートのちょうど中間程度の場所にあるため遅い時間に広河原を出発した場合はここで宿泊するのがちょうどいいでしょう。小屋の前は登山者が休憩できる広場があり、宿泊しなくても少し休んで、ここからの登りに備えておきましょう。
日本を代表する岩場で、北岳の東面にある大岩壁です。山頂からの標高差は約600mで大樺沢右俣と左俣の間の岩壁を主にバットレスと呼びます。北岳の登山ルートからは御池小屋を過ぎて右俣ルートで上る途中、左手に見ることができます。
標高3,193m、日本で2番目に高い場所です。山頂は比較的広く「北岳3,193m」の看板の前で記念撮影をする人もたくさんいます。天気が良ければ遠く北アルプスの後立山連峰、槍ヶ岳、穂高岳も見えます。周囲を見渡せば中央アルプス、八ヶ岳、奥秩父の山々、近いところでは鳳凰三山、甲斐駒ヶ岳、仙丈ケ岳、間ノ岳が見え、東側には富士山が見えています。北岳山頂からは自分の立っている場所も含め、日本の標高ベスト5が全部見ることができるのです。
人気の南アルプス北部の山の楽しみ方
北岳の固有種である「キタダケソウ」はこのお山を代表する高山植物ですが、北岳周辺ではそれ以外の高山植物も多く見ることが出います。草スベリ、右俣の両ルートが交流する草原状の急斜面が続く当たりは多くの高山植物が咲いています。また肩の小屋周辺、山頂から北岳山荘へ下っていく周辺にも高山植物の群生地があり、7月上旬から8月中旬にかけて多くの可憐な花々が登山者を楽しませてくれます。
標高が高い北岳では9月の中旬くらいに2,500m当たりのダケカンバ、ナナカマドなどが色づき始めます。紅葉は徐々に標高を下げて例年10月上旬くらいに見ごろを迎えます。見どころは右俣ルートから見上げるバットレスとその周辺に色づく紅葉のコントラストは見事で、天候のタイミングによっては山頂から続く稜線がうっすら冠雪して、三段紅葉になる絶景も見られます。
北岳を含む南アルプス北部の人気縦走ルートです。白根三山とは北岳、間ノ岳、農鳥岳の3座です。1日目は朝早く広河原を出発して一気に北岳山頂まで。北岳山荘に宿泊、2日目は北岳山荘から間ノ岳を超えて農鳥岳を超え、大門沢小屋に宿泊。3日目は大門沢小屋から奈良田温泉に降りる、全行程約24km、標高差2,300mの健脚な人向けのコースです。
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