Rock-ridge-walk
岩稜歩きのルートはいつか行きたい憧れの山へ続く道
FEATURE
空に近い山頂や峰へ向かう急峻な岩稜の道はまさに天空へ登る道を進むような気分です。
魅力1
岩稜帯のルートは通常の登山道と違いわずかな岩の上に足を置いたり、両手で自分の体を支えたり、鎖やハシゴを使って上り下りをしたりと、両手両足をフルに使って進んでいきます。岩場を進むには三点支持(両手両足の四点のうち三点は動かさず、一点ずつ動かして上り下りをする)の基本動作を確実かつ慎重にすることが重要です。
魅力2
岩稜帯のルートの多くは山頂近くにあり、そこまで辿り着く頃には体力も消耗しています。岩場を安全に通るためには三点支持の技術はもちろん、長時間にわたり運動できる体力や緊張を保持できる精神力などが必要です。そのため岩稜帯を通り抜け無事山頂へ到着した時は通常ルートを通って登った山とは違う達成感を得ることができます。
魅力3
登山・トレッキングを始めるとより標高が高い山、より難易度が高い山へ登りたいと思うようになります。誰でも経験を重ねれば技術が上がり、自身の登山・トレッキングのレベルを上げていけます。いきなり難易度の高い山に挑戦するのは無謀なことですが、何度も岩稜歩きを経験していけばいつかは憧れの山へも挑戦できる体力や技術が身についてきて、それが年を重ねても登山・トレッキングに対するモチベーションになります。
POINT
通常の登山道とは異なる岩場のルートを登る時の注意点です
注意点1
通常の登山道とは異なり岩稜ルートは狭い場所にルートが開かれていることがほとんどです。ザック(リュックサック・バックパック)の外側に物をぶら下げて歩くと通過の妨げになり危険です。同様にだぶついた服装では動きにくく、両手両足を使うためある程度体にフィットした服装選びが必要です。岩場で体重を支えるには足場の確保が重要です。靴裏のソールが厚くつま先がしっかりした登山靴を履いて歩きましょう。
注意点2
岩稜歩きと一言で言っても距離、レベルなどルートには数多くの選択肢があります。自分の技術はもちろん経験や体力に見合ったルート選びが重要です。岐阜県や長野県などが山のグレーディング(主要ルートについて必要な体力と技術的難易度を示した表)をホームページに掲載しているので参考にしましょう。また、はじめて行くルートはそこを通った事がある経験者と同行することをおすすめします。
注意点3
岩稜ルートでは常に事故や怪我と背中合わせと言っても過言ではありません。そのような危険なところを安全に通過するためには、常に自分の周囲の状況に注意して登ることが需要です。ハシゴや鎖は前を進む人が安全な場所に到着してから進み、足を無造作に動かして落石を起こさないよう自分だけでなく前後の登山者の位置関係にも注意しましょう。些細な不注意が大怪我につながることもあるので、お互いに気を付けて安全な登山・トレッキングを楽しみましょう。
RECOMMEND
多くの登山者の憧れでいつかは歩きたい岩稜ルートをご紹介します
おすすめの山1
剱岳は富山県東部の立山連峰にある標高2,999mの山です。一般登山道としては国内最難関の山と言われ屈指の難易度として知られています。そのため多くの登山者の心を惹きつけ、いつかは登りたいと思わせる憧れの山です。特にここを通らないと頂上に行けない、頂上から降りられない「カニのタテバイ」「カニのヨコバイ」と呼ばれる岩場は鎖やハシゴが連続する厳しいルートです。
おすすめの山2
標高2,620mまでロープウェイで行ける千畳敷から登る宝剣岳はアクセスしやすい人気の山です。宝剣岳を通過するルートは、市販の山岳地図ではバリエーションルートになっていますが、登山道はしっかり整備され、鎖や足場の金属製ステップが設置されています。岩場までの距離も短く体力の消費も少ないため岩稜歩き初心者でも比較的挑戦しやすいルートです。
おすすめの山3
天空を突き刺すようにそびえる槍ヶ岳は北アルプス南部にあり、その形状から遠くからでも目立ち、誰もが一度は登りたいと思う人気の山です。山頂直下に建つ槍ヶ岳山荘まではいくつかのルートがありますが、山荘から山頂までは何本かのハシゴや鎖、鉄の足場を頼りに岩場を登ります。山頂は狭く20人ほどでいっぱいになるので、登りルートは時々渋滞します。上に人がいるときはよく状況を確認して進みましょう。