Mountain-hut
泊ってみなければわからない山小屋の楽しさと過ごし方
FEATURE
山小屋に泊まって登山をすると行ける山の幅がぐんと広がります。日帰り登山からステップアップしましょう。
魅力1
登山で宿泊をするときに必ずと言っていいほどお世話になるのが山小屋です。昔は大部屋に詰め込めるだけ詰め込んで、1つの布団に3人寝るなどということもありましたが、今は基本的に予約をして宿泊をする登山者も多く、ゆったりと過ごすことができます。また山小屋によっては食事メニューも工夫を凝らしたステーキや窯焼きピザが食べられるところもあります。
魅力2
山小屋に泊まる場合、街とは違い街灯もない真っ暗な山で1晩過ごすことになります。山小屋の明かりが照らす場所は多少明るいですが少し離れると夜のとばりに包まれます。満点の星空や月明かりに照らされた遠くの山々のシルエットは昼間とは違った山の風景です。空を茜色に染めて沈む夕日や東の空が白んだ後強く輝く太陽が昇るご来光は宿泊した人だけが見られる感動の景色です。
魅力3
多くの山小屋には談話室や食事が終了した後の食堂を開放した共有スペースがあります。山小屋に泊まる登山のスタイルは単独やグループなど様々ですが、ちょっとしたきっかけで見知らぬ相手でも同じ日に同じ山を登った人同士で話が弾みます。今日歩いてきたルートについて話したり、明日歩くルートを聞いてみたりと貴重な情報共有にもなります。
POINT
街とは違う、山小屋で守るべきマナー・ルールとは
注意点1
山の天気は午前中の方が安定していることが多いことから、登山は早発ちが原則のため多くの山小屋の就寝時間は20時頃、遅くても21時には消灯します。消灯時間を過ぎてからは小声でも静かな山の中ではよく聞こえるため注意しましょう。小屋には遅くとも16時までには到着し、夕食・朝食の時間も決まった時間に食堂に行くようにしましょう。当たり前の事ですが時間厳守が原則です。
注意点2
山小屋は山の中という限られた狭い敷地に建っているため広いスペースを取ることができません。食事は2回転か多いときは3回転で順番にとります。トイレや洗面所、濡れた衣服を乾かす乾燥室も共有です。自分のことだけ考えずに同じ小屋に泊まる他の人へのマナーと譲り合いの気持ちを忘れずに過ごしましょう。
注意点3
山小屋では当日予約なしで到着する「飛び込み客」でも宿泊できます。もし満員で断った場合万一その人がどこにも泊れず、事故にあってしまう事を考えると断れないからです。最近は多くの山小屋が事前に予約することを奨励してホームページなどで満室状況を案内したり、予約段階で満員の場合は断るようになってきています。満員の場合は日にちを変更したりルートを変えたりして「飛び込み宿泊」はしないようにしましょう。
RECOMMEND
絶景、グルメ、温泉など泊ってみたい山小屋から登る山
おすすめの山1
穂高連峰の涸沢は奥穂高岳や北穂高岳登山する方の宿泊地として知られています。ここには「涸沢ヒュッテ」と「涸沢小屋」の2件の山小屋が建っており、いずれも夏のシーズンには満室の日も多くなります。涸沢に連泊して中日に穂高岳へ往復してくることもできます。涸沢から穂高に登らず山を眺めているだけでも十分満足という方も多く、まさに登山者の聖地と呼べる場所です。
おすすめの山2
八ヶ岳連峰には個性的な山小屋が多くあります。中山峠に建つ黒百合ヒュッテは夏山のシーズンは毎月ジャズやフルートなどの演奏会が行われ、コンサートの開かれる山小屋として知られています。硫黄岳へのアクセスが便利なオーレン小屋では桜鍋(馬肉のすき焼き)が夕食のメニューに提供されます。赤岳のアクセスが便利な赤岳鉱泉では毎日ではないですが、夕食にステーキが提供されることもあります。
おすすめの山3
立山黒部アルペンルートで簡単にアクセスできる室堂から1時間程度、立山登山の基地となる雷鳥沢には雷鳥荘と雷鳥沢ヒュッテの2軒の山小屋があります。いずれも自慢は立山三山を眺めながら入る温泉で、すぐ近くに源泉があるので源泉かけ流しの湯が楽しめます。2軒とも4月から11月まで営業しているので残雪の時期から紅葉シーズンまで四季折々の立山の景色を堪能できます。
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