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大自然の中で出会う野生動物の魅力
FEATURE
登山・トレッキングでは思いがけず様々な野生動物に出会うことがあります。出会いは運次第ですが山の思い出のひとつとなることでしょう。
おすすめ1
国の特別天然記念物で、北アルプス、乗鞍岳、御嶽山などの標高2,000~3,000mに生息しています。漢字では雷鳥と書き、北アルプスではシンボル的な存在です。
立山の入り口で、アルペンルートの中継地ともなる室堂でも出会うことができます。室堂から雷鳥沢に向かう途中の登山道脇でもよく見かけます。歩きやすいのは登山道に雪がない時期ですが、雪が残る6月でも室堂周辺なら歩くことができます。室堂から立山の主峰・雄山(標高3,003m)までは一の越経由で往復4時間程度の行程です。
乗鞍スカイライン、エコーラインの終点となる畳平周辺でも出会うことができます。畳平は標高2,700m超ですが、バスでアクセスできるので乗鞍岳の最高峰・剣ヶ峰(標高3,026m)まで日帰りで歩くことができます。
おすすめ2
ニホンカモシカは国の特別天然記念物で固有種です。ミステリアスな存在は「山の哲学者」と言われています。なかなか出会うことは難しいですが、ばったり出会っても人を恐れて逃げることは少なく、逆にじっとこちらを見てくることもあります。
八ヶ岳は赤岳(2,899m)を最高峰とする日本百名山です。歩きやすいのは北エリアですが、南エリアでも山頂を目指さないトレッキングであれば雪のある時期でも安心して歩くことができるルートもあります。天狗岳や硫黄岳がおすすめです。なお、八ヶ岳では多くの山小屋が通年営業を行っています。
おすすめ3
ヤクシカ・ヤクザルはそれぞれニホンジカ・ニホンザルの亜種です。本州・北海道の同種と比べると体長が小さいことが特徴です。
屋久島の大自然を肌で感じたいなら縄文杉登山がおすすめです。片道5~6時間とかなり長い行程ですが、登山道はよく整備され、登山者も多く安心です。はじめての場合はガイドツアーがおすすめです。樹齢数千年といわれる縄文杉との出会いは感動で、道中、ヤクシカやヤクザルに出会うこともあります。
宮之浦岳(標高1,936m)は日本百名山であり九州の最高峰です。淀川登山口から往復するルートが一般的ですが、白谷雲水峡や荒川登山口に縦走するコースもおすすめです。途中に避難小屋があるので寝袋や食料を持参すれば1泊の行程で歩くことができます。縄文杉を登山者が少ない早朝に訪れることもでき、ヤクシカやヤクザルに出会うチャンスもあります。
おすすめ4
キタキツネ・エゾシカは北の大地に生息する野生動物の代表格で、それぞれ、アカギツネ・二ホンジカの亜種です。
キタキツネ・エゾシカは北海道の道東・道北エリアを中心に広い範囲に生息しています。それぞれ本州以南のものより大型で、特にエゾシカはニホンジカの亜種の仲間では最大で屋久島のヤクジカの数倍の大きさです。阿寒岳は日本百名山の雌阿寒岳と雄阿寒岳(標高1,499m)に分かれ、北海道の山の中では比較的整備された登山道を歩くことができます。キタキツネ・エゾシカは夏以外でも見られますが、登山・トレッキングは雪のない時期の方が安全です。
おすすめ5
世界で小笠原諸島の母島にだけ生息する鳥で、国の特別天然記念物です。
ハハジマメグロは綺麗な緑色の小さな鳥で、小笠原諸島母島の最高峰・乳房山の登山道でもよく見かけることがあり、出会いのチャンスは大いにあります。温暖な気候の小笠原諸島では一年を通じて登山・トレッキングを楽しむことができます。東京から船で24時間の行程で父島に到着、さらに2時間船の旅を続けると母島に着きます。港から少し歩くと乳房山の登山道があります。乳房山(標高462m)は母島の最高峰で登山道は歩きやすく初級者向きです。
POINT
登山・トレッキングで野生動物と出会うためにはタイミングが重要です。エリアや時期、時間を選ぶと出会いのチャンスが増します。
注意点1
野生動物に出会いたいなら目的の野生動物が生息するエリアを選びましょう。インターネットの情報を活用すれば直近の遭遇情報を確認できます。さらに地元の情報も貴重です。宿泊する場合はスタッフの方、タクシーを利用したら乗務員からあらゆる情報を収集しましょう。ただし、立ち入り禁止エリアや登山者が入らないような場所は絶対に避け、安全に気長に野生動物との出会いを待ちましょう。
注意点2
野生動物との出会いは時期を選ぶことも重要です。生息するエリアに行くだけでは出会うことはできません。野生動物との出会いの適期は登山・トレッキングの適期でもあります。季節に応じた持ち物・装備、服装で出かけ、安全に楽しみましょう。
注意点3
時間帯も野生動物と出会うためには重要なポイントです。早朝に出会うチャンスが多い野生動物もいます。夜間に行動することは危険なので、夜行性の野生動物の場合はガイドツアーに申し込むことをおすすめします。