Kyushu Olle
韓国・済州島発祥のオルレの姉妹版コースで自然と風土と歴史に触れる
FEATURE
オルレとは、韓国・済州島の言葉で「通りから家に通じる狭い路地」という意味で、美しい自然とそこに暮らす人々の生活感をゆっくり歩きながら感じることが魅力です。九州オルレは「済州オルレ」の姉妹版で、コースには目印になるオブジェや青と赤のリボン、標識を設置しているので安心して歩くことができます。宗像・大島コースは福岡県内で最初のオルレコースです。大島(通称:宗像大島)には世界遺産の宗像大社中津宮や沖津宮遙拝所があり、「神宿る島」沖ノ島を遠くに望むことができます。
ポイント1
福岡県内で最初のオルレコースとなったのが「宗像・大島コース」です。宗像大島には、世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群に認定された、宗像大社中津宮や沖津宮遙拝所があります。天気が良ければ、一般的には上陸することができない沖ノ島を望むことができます。
ポイント2
宗像大島は福岡県の中では一番大きな島で、周囲は約15kmです。四方を海に囲まれている離島ならではの見晴らしの良さや、豊かな自然が魅力で、青い海や木々を眺めながらのんびり歩くことができます。島の最高峰の御嶽山の山頂展望台からは、世界遺産の沖ノ島や、遠く壱岐・対馬まで見渡せることもあります。遊歩道もよく整備されているので、ハイキング初級者にもおすすめです。
ポイント3
宗像大島は九州本土側の神湊港から北西に約6.5kmに位置し、神湊港からはフェリーで約25分、旅客船で約15分という近さです。就航する本数も多いので日帰りでも気軽に出かけることができます。島の交通は周遊観光バスがありますが、半日あれば島の主要部を歩いて巡ることが可能です。九州オルレ「宗像・大島コース」は特に難路もなく、ほとんどが整備された遊歩道や舗装路です。道標もあるので安心して歩くことができます。
エリア | 九州・沖縄 |
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ジャンル | 日帰り、宿泊 |
レベル | はじめて、初級者、中級者 |
歩行時間 | 約5時間00分 |
歩行距離 | 約11km |
アクセス | ■電車・バス 博多駅より東郷駅までJR鹿児島本線で約30分、東郷駅より神湊港まで路線バスで約20分、神湊港より大島港までフェリーで約25分/旅客船で約15分 ■車 九州縦貫自動車道・古賀ICより神湊港まで約35分、神湊港より大島港までフェリーで約25分/旅客船で約15分 |
RECOMMEND
九州オルレ「宗像・大島コース」は距離約11km、高低差約220mです。ハイキングとしては中級者向けですが、体力に自信があればぜひ踏破しましょう。体力に自信がない方は、御嶽山を省力して、中津宮神社から沖津宮遥拝所と砲台跡を目指す歩き方もよいでしょう。帰路は周遊観光バスを利用すると便利です。
大島港…中津宮神社…御嶽山山頂…椎茸山登山路…中津和瀬林道…風車展望所遊歩道接続点…砲台跡
…軍道…沖津宮遥拝所…大島コミュニティ…大島小学校・中学校…かんす海水浴場…大島港
宗像大社は全国に6,000社以上ある「宗像神社」の総本宮で、日本最古の神社の一つともいわれます。御祭神は天照大神(あまてらすおおみかみ)の三女神で、沖津宮(おきつみや)、中津宮(なかつみや)、辺津宮(へつみや)にそれぞれ祀られており、この三宮の総称を宗像大社といいます。宗像大社中津宮(なかつみや)は辺津宮から沖へ約10kmに位置する大島に鎮座し、宗像三女神の次女にあたる湍津姫神(たぎつひめのかみ)を祀っています。この地には七夕伝説が伝わり、境内を流れる天の川の左右の丘には織姫(しょくじょ)神社と牽牛(けんぎゅう)神社があります。旧暦の7月7日に近い8月7日には七夕祭が盛大に執り行われます。
宗像大社中津宮の本殿裏手からは御嶽山の山頂へと約1kmの参道が続いています。山頂には、「みたけぐう」と呼ばれる中津宮の奥の院・御嶽神社が鎮座し、麓の社殿とこの参道によってつながります。標高224mの山頂には展望台があり、空気の澄んだ日には、「神宿る島」沖ノ島、福岡市街地、北九州市の工場群、英彦山、背振山、そして、遠く壱岐・対馬を望むことができます。四方を青い海に囲まれた大パノラマの絶景は一見の価値があります。
大島の北部には砲台跡があります。これは昭和11年に九州北部沿岸の防衛強化のために築かれたもので、当時は4門の大砲が配備されていましたが、戦後、全て撤去されました。現在見ることができるのは砲台が備えられていたコンクリートの基礎部分です。砲台跡周辺には、玄界灘を一望することができる風車展望所があります。周辺の遊歩道はよく整備されているので、雄大な景色を堪能しながらのんびりハイキングができます。春には菜の花、夏にはひまわり、秋にはコスモスが満開となります。
大島北岸の岩瀬海岸には沖津宮遥拝所があります。女人禁制である沖ノ島に行くことができない女性が宗像大社沖津宮を遠くから拝むために建てられたものです。大島から約50km北方にある沖ノ島は田心姬神を御神体とした「神の島」といわれ、島そのものがご神体です。沖ノ島は、現在でも女人禁制で、男性であっても上陸前には禊を行なわなければなりません。また、4世紀~9世紀の古代祭祀の遺構や装飾品や、弥生時代以前の石器や土器などが大量に発見されており「海の正倉院」とも呼ばれています。伝統行事である沖津宮中津宮春季大祭の日には、沖津宮遥拝所の扉が開かれ、社殿より遠く沖ノ島を拝むことができます。
離島の魅力と悠久の歴史ロマンに触れる
宗像大島の最高峰・御嶽山(標高224m)は宗像大社中津宮から約1km、約30分ほど登ります。山頂展望台からは、「神宿る島」沖ノ島を望むことができます。また、山頂には中津宮の奥宮として信仰を集める御嶽神社が鎮座します。絶景とパワースポットを合わせ持つ宗像大島で最高のロケーションのひとつです。島の北部には沖津宮遥拝所があり、一般には立ち入ることができない「神宿る島」沖ノ島を参拝できる神社として多くの人が訪れます。
宗像大島の北部には風車展望台と砲台跡があります。この辺りは海を望む抜群のロケーションで、眺めの良い遊歩道を歩くと小高い丘の上に風車が見え、近くには砲台跡があります。砲台跡は昭和11年に完成したといわれ、今もコンクリートの分厚い基礎が残っています。砲台跡の周辺は草原が広がり、春には菜の花、夏にはひまわり、秋にはコスモスを観賞できます。乗馬クラブもあるので、馬の背から眺望を楽しみながら、遊歩道をゆったりと歩くこともできます。
宗像大島の宗像大社中津宮では一年を通して祭典行事が行われていますが、中でも8月7日に行われる「七夕祭」は鎌倉時代から続くといわれる歴史ある祭礼で、地元民だけでなく多くの観光客が訪れます。中津宮は七夕伝説発祥の地といわれ、境内の川は「天の川」と呼ばれており、両端には織女と牽牛が祀られている神社があります。当日は露店も立ち並び、ステージイベントなども行われるのでお祭りムードも満点です。夜には神事が執り行われ、そして、青笹に願いごとを書いた短冊を結びつけて、浴衣姿で七夕踊りを奉納しながら願いごとの成就を祈ります。祭礼を見学する際は宗像大島に宿泊することをおすすめしますが、宿泊施設のほとんどは民宿です。こぢんまりした民宿で地元の料理を地元の人のお話しを聞きながら楽しむことも旅の醍醐味です。
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