Rebun
日本最北端の島は高山植物の楽園
FEATURE
礼文島は、北海道の北部・稚内より西に約60kmにあり、人が住む島としては日本で最も北にあります。「礼文(レブン)」の名はアイヌ語の「沖の島」に由来するといわれています。東海岸はなだらかな丘陵性の地形が広がり海へと続いていますが、冬の厳しい偏西風を受ける西海岸は切り立った断崖絶壁が連なっています。真夏でも涼しい気候により平地にも約300種類の高山植物が咲き乱れることから「花の浮島」と呼ばれています。
ポイント1
礼文島は人が住む日本最北端の島です。稚内からフェリーで約2時間で礼文島の香深港に着きます。花や風景、グルメ、素朴な島の人々とのふれあいなど、一生に一度は訪れてみたい島です。そして、一度訪れると何度も行きたい島に変わります。東側の利尻島まではフェリーで約45分なので、時間に余裕があれば合わせて訪れることをおすすめします。利尻島は日本百名山の利尻山(利尻富士)がそびえ立ち、その雄姿は礼文島南部の知床などからも見ることができます。
ポイント2
礼文島は別名「花の浮島」といいます。夏でも涼しい気候や独自の地形を持つことから標高が低い場所でも高山植物が咲き乱れることからそう呼ばれています。さらに礼文島にだけ咲く固有種の多さも特筆すべきことです。希少種でもあるレブンアツモリソウをはじめ、レブンウスユキソウ、レブンキンバイソウ、レブンシオガマなど、「レブン」の名が付く花が多数あります。礼文島で観賞できる花は約300種といわれており、花が見られる時期は4月~9月頃です。種類によって開花時期が異なりますので、お目当ての花が咲く時期に訪れるとよいでしょう。
ポイント3
礼文島は、離島ならではの手つかずの大自然や独自の地形により唯一無二の絶景を楽しむハイキングコースが充実しています。7本のコースが設けられており、それぞれ景観や観賞できる花が異なります。人気が高いコースは「桃岩展望台コース」や「礼文林道コース」で、可憐な高山植物と、海の向こうに日本百名山・利尻山がそびえる利尻島を眺めることができます。礼文島にはヒグマなどの大型哺乳類は生息していませんので、安心してハイキングが楽しめます。
エリア | 北海道・東北 |
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ジャンル | 日帰り、宿泊 |
レベル | はじめて、初級者、中級者 |
歩行時間 | 約3時間00分 |
歩行距離 | 約5.7km |
アクセス | ■電車・バス 稚内空港から稚内港フェリーターミナルまで空港連絡バス又はタクシーで約35分、稚内駅から稚内港フェリーターミナルまでタクシーで約22分、徒歩で約15分 稚内港から礼文島・香深港までフェリーで1時間55分 ■車 稚内港から礼文島・香深港までフェリーで1時間55分 |
RECOMMEND
南部の香深港から桃岩展望台、元地灯台を経て知床へと続く全長約6.4kmのコースで、断崖と青い海が続く西側の海岸や海に浮かぶ利尻山を眺めながらハイキングが楽しめます。礼文島に咲くほとんどの花を観賞することができる礼文島を代表するコースです。香深港から歩き始めることもできますが、桃岩登山口から桃岩展望台経由、元地灯台を経由して南部の漁港・知床を目指すコースをおすすめします。桃岩登山口からの最大高低差は登りで約100m、下りで約250mとアップダウンも比較的少なく、ほとんどがよく整備された遊歩道を歩くので、はじめての方や初級者にもおすすめのコースです。
桃岩登山口…レンジャーハウス…桃岩展望台…キンバイの谷…元地灯台…知床
桃岩登山口から歩いて約40分、高山植物群落にある展望台が桃岩展望台です。眼下には桃の実のような特徴的な形の岩があり「桃岩」と呼ばれています。桃岩展望台から元地灯台にかけての丘陵地帯は礼文島の中でも最も花が多いエリアで、歩いても歩いてもお花畑です。特に6月~8月頃は高山植物が咲き乱れます。この辺りの標高は約225mですが、高山植物の多さからまるで高山を歩いているような錯覚をするほどです。
桃岩展望台から元地灯台は約2.5kmで、約1時間40分の道程です。途中のキンバイの谷にはレブンキンバイソウ、クロユリ、ハクサンチドリなどが咲く高山植物の群落があります。元地灯台は初点灯が昭和29年で、付近は豊かな漁場で船舶の安全を長く見守ってきました。大海原を背景にした灯台の姿は絶景と呼ぶのに相応しい光景です。元地灯台からゴールの知床までは緩やかな下りを約2.0km歩きます。
元地灯台から約40分歩くとゴールの知床に着きます。知床といっても知床半島ではなく、礼文島南部の小さな漁港で、海の向こうには利尻山(利尻富士)がよく見えます。近くには映画のロケ地となった「北のカナリアパーク」があるので時間があればぜひ立ち寄ってみましょう。ここから香深港までは舗装路を徒歩で約1時間です。香深港行きの路線バスもありますが本数が少ないので事前に確認をしましょう。バスの時間によっては、知床を起点に逆ルートで歩いてもよいでしょう。
礼文島をまるまる楽しみたい!
せっかく礼文島に来たらハイキングだけでなく、他にも温泉やグルメなどゆっくり楽しみたいものです。しっかり時間をとるにはやはり礼文島に宿泊することをおすすめします。礼文島には「礼文温泉」という天然温泉が湧いています。島内のホテル・旅館のいくつかは温泉を引いているので、ハイキングの疲れを温泉で癒すこともできます。また、「うすゆきの湯」という日帰り温泉施設もあり、民宿などに泊まる場合でも天然温泉を楽しむことができます。翌朝はぜひ早起きをして、朝の陽ざしを浴びながらハイキングや散策を存分に楽しみましょう。
礼文島ではハイキング以外に観光やさまざまな体験を楽しみましょう。高山植物園は30種類の高山植物が約2万株あり季節ごとに礼文島の花を観賞できます。北のカナリアパークは映画「北のカナリアたち」のロケ地が公園になった施設です。カナリアパークからは利尻島にそびえ立つ利尻山(利尻富士)の雄姿を眺めることができます。また、うにむき体験センターでは新鮮な礼文島産のうにを自分で殻を剥いて食べることができます。口の中で甘く溶ける新鮮なウニを心ゆくまで味わいましょう。
礼文島のグルメの代表格はやはりウニです。甘く濃厚な剥きたての生ウニは至高の味です。島内の飲食店や宿泊施設で味わうことができます。ウニの漁期は4月~9月で、この時期に礼文島に訪れてたらぜひ生ウニを試してみてください。もちろん、ウニだけでなく、タコや肉厚なホタテ、イカ焼き、ホッケなど、礼文島は花だけでなく、海産物の宝庫でもあります。
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